夏季休業後の学校再開 知徳体のバランスがとれた教育を(寺崎千秋)

教育新聞論説委員 寺崎 千秋

短い夏季休業でもリフレッシュを

今年の夏季休業日は10日前後から2~3週間程度の期間が多いようだ。本来であれば夏季休業日は学校から家庭に生活の中心が移り、子供たちは学校で学んだことを生かしながら家庭での自律的な生活づくりを進める。

普段経験できない、家族旅行、自然体験、社会体験などを体験する。あるいは自由研究に取り組む。そしてリフレッシュして学校生活に戻っていく。今年はどうだろうか。短い期間、家庭でも新しい生活様式や移動制限が求められている。家族で休みを楽しんでいるだろうか。ぜひ楽しみ、リフレッシュしてほしい。終われば長い長い学校生活が待っているから。

教職員は休めているか

教職員はどうだろう。ここまで本当にお疲れ様でしたと感謝したい。その疲れをとるべく少しは休みをとってリフレッシュしているだろうか。ぜひリフレッシュしてもらいたい。短い夏季休業日の間も再開後の諸準備に暇が無いかもしれないが、少しでもリフレッシュし、元気で子供たちのためにどんどん力を発揮してほしい。

休業後の学校は12月末までの長丁場となる。現状の感染拡大の状況が夏季休業期間に収まるようには思えない。再び休校になるのか、それを避けるため新しい学校生活様式は一層の徹底が求められるかもしれない。管理職は教職員が休業中にリフレッシュするよう奨励し、共に再開の出発を元気で迎えられるようリードしてほしい。

学習は急がずじっくりと

学習の遅れが気になり回復に向けて急ぐあまり、子供の心身の状況を見失わないようにしたい。

臨時休校の期間、学校再開後、教育格差の拡大が強く指摘された。教師たちは格差が広がらないよう、3密回避の難しい状況の中でも一人一人に目を向けた指導を行ってきた。短い休業期間ではあるが、やはり児童生徒個々の休み中の経験は多様であろう。

これらをしっかりと把握して、どの子も休業明けの学校生活を意欲的に楽しく送れるように引き続き導いてほしい。

心の面の支えを一人一人に向けて

夏休み明けには子供の自死が多いことが指摘されている。子供たちの様子や状況に特に注意し配慮していきたい。登校しぶりや不登校も生じやすい環境にある。短い期間ではあるが生活習慣の乱れ、暑さで体調を崩したり寝不足だったりすることによる意欲の低下が心配される。

大きな声を出せない、じゃれ合えない、身近で対話できない、黙って給食を食べるなど新しい学校生活様式で蓄積したストレスは休みの期間に発散できているだろうか。

教師と子供、子供同士の心のつながりをまたつくっていく、築いていく、子供に寄り添っていくことをお願いしたい。教師たちが頼りである。

身体面では運動の機会を増やして

休業前に子供たちの体力低下が心配されていた。体育はマスクを外すことが許されていたが、運動にはいろいろと制限があり思い切り動けなかったり楽しめなかったりしたことであろう。夏季休業中もプールの中止やコロナ関係の諸事情で運動する機会が少ないことから、さらに体力の低下が予想される。

学習の回復を急がず、まずは体力・健康の維持増進、心の面の支えによるやる気や意欲の向上を目指しながら、長い目で見ての取り組みを意図的、計画的、組織的に進めていってほしい。

楽しい学校づくりをみんなの力で

秋の遠足や移動教室、修学旅行、運動会・体育祭、学芸会・演劇祭、音楽会・音楽祭、展覧会、学習発表会など子供だけでなく家庭・地域が楽しみにしている学校行事が実施できるか不安視されている。中止の声も聞こえてくる。状況の好転を期待するしかない。すでに間接的な方法で取り組む例も報告されているが、なにかしら子供たちの心に残る方法を工夫して思い出を一つでも多く残してやりたいものだ。

子供たちが可能な限り創意工夫して自分たちで活動を作って皆で楽しむことができるような環境づくりを教職員、保護者、地域の人々がチームとなって応援していきたい。


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