ペッパーがやってきた! 先行導入校に期待と思案

狛江市内の教員らが集まったペッパー研修会
狛江市内の教員らが集まったペッパー研修会

人型ロボット「ペッパー(Pepper)」約2千台を、プログラミング教育を支援する目的で、全国17自治体の公立小・中学校282校に無償で貸し出す、「Pepper 社会貢献プログラム スクールチャレンジ」を、ソフトバンクグループがこの1月に発表した。貸し出しは4月から3年間の予定だが、すでに一部の学校には先行して貸し出されており、教員らはペッパーの操作方法を学びつつ、どう学びにつなげるか検討を重ねている。先行校の1つ、東京都狛江市立狛江第四中学校(村上昭夫校長、生徒292人)の取り組みを取材した。

同校には、ペッパー6台が先行して貸し出されている。2月13日には、ペッパー自らが朝礼で全校生徒らに、「3月までは生徒の皆さんとコミュニケーションをとったり、一緒に学んだりしながら活動します。仲良くしてください」と“着任あいさつ”。ユーモラスな体操も披露して、生徒らの心をぐっとつかんだ。

同校のペッパープロジェクトのリーダーであり、ペッパーのプログラミングなどを担当する桑野真嘉教諭は「生徒のペッパーへの興味はすごい。使い方のアイデアもたくさん出ている。本校では『ペッパー部』も特設する予定だ」と話す。「ペッパー部」には、入部希望の1、2年生が、すでに30人近くいるという。

2月20日には、同市内の小・中学校の教員約20人が、同校の一室に集まった。先行導入の状況を聞き、ペッパーに実際に触って操作法などを学ぶためだ。同市教委やソフトバンクの社員も立ち会った。参加者らはプログラムソフトの実演や、ペッパーに話しかけたり触れたりしてコミュニケーションを試しつつ、ペッパーをどう授業に活用するかを思案した。

だが、他校の温度感はまだそれぞれのようだ。ペッパーの反応やプログラムを楽しむ参加者がいる一方で、「ペッパーを壊してしまわないか、びくびくしてしまう。本音を言うと、怖い」「教育的な意義がまだつかめていない。プログラミング教育全体にもいえるのだが、プログラム方法を教えるだけで終わってしまわないよう、何のためのペッパーなのかを、もっとよく考えたい」という声も聞かれた。

ソフトバンクグループは学校法人立命館と協力して、スクールチャレンジ用のカリキュラムを作成しており、同カリキュラムの説明会も行っていく予定だ。

宮内謙副社長はスクールチャレンジの記者会見で、「教育のパラダイムシフトが日本から発信できるかもしれない。プログラミングそのものの感動を体験してほしい」と思いを語った。

同校では、ペッパーを活用した各学級での授業を、5月から開始する。各学級で授業を年間6回行う予定で、火曜日と金曜日の6時限目の、総合的な学習の時間を使う。

4月には、さらに9台のペッパーを導入する。

村上校長は「生徒には、これからの社会で、ペッパーやAI(人工知能)をどのように活用し、役立てられるか考える視点を持たせたい。それとともに、論理的思考力や問題解決力、創造力を育成する。この両柱で考えている」と語る。

教員については「今はとにかく、慣れていく段階。教職員は現在、どのように教育活動で活用できるかを練っており、随時、ブレインストーミングを行っている。カリキュラムはソフトバンクからの支援を受けながら、これから作り上げていく。3月は仮の期間として慣れるのに当て、4月以降は、授業とペッパー部の2本立てで進めていきたい」と展望を語った。

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