分析 平成29年度全国学力・学習状況調査の質問紙調査

教育新聞論説委員 寺崎千秋


cu20170828寺崎平成29年度全国学力・学習状況調査の質問紙調査の結果の第一は、「主体的・対話的で深い学びの視点による学習指導の改善に関する状況」で、学校への質問と児童生徒への質問の両面からの結果を公表している。

第一のうち、「習得・活用及び探究の学習過程を見通した指導方法の改善及び工夫」では、「よく行った」「どちらかと言えば行った」が平成29年度は、28年度に比べて増加しているとするが、数的には微増ではないか。「あまり行っていない」「全く行っていない」学校が1割前後も存在することを問題にしたい。
また、肯定的に回答した小・中学校の方が平均正当率が高い傾向がみられる。教育課程の基本を確実に実施している学校が結果を出しているということであり、その取り組みを一層充実させることを求めたい。

「児童〔生徒〕は、授業において、自らの考えがうまく伝わるよう、資料や文章、話の組み立てなどを工夫して発言や発表を行うことができているか」に関して、「そのとおりだと思う」「どちらかと言えばそう思う」と回答した小・中学校は、29年度は前年度に比べて増加しており、「平均正当率が高い傾向が見られる」とある。

児童生徒に対する質問でも、同様の結果を報告している。学校・児童生徒ともに工夫し努力していることが、良い結果を生み出しているのを評価したい。
しかし、一方で「どちらかと言えば、そう思わない」「そう思わない」を合わせると、学校が30%後半、児童生徒が30%前後あり、平均正当率も低くなっている。できていない子供への、一層の指導の強化が望まれるところである。

「回答状況の経年的な変化」(26~29年度)では、「様々な考えを引き出したり、思考を深めたりするような発問を指導したか」について、「よく行った」「どちらかと言えば、行った」と回答した小・中学校の割合は26年度以降、増加傾向が見られ、「平均正当率が高い傾向がみられる」としている。

一方、児童生徒に関しては一部横ばいの年度があるが、そのように回答した小・中学校の方が平均正当率が高い傾向が見られるとしている。これらについても、一方で否定的な受け止め方をしている子供が3割を超えて存在していることから、この指導をなお一層充実することが求められよう。

第二の「児童生徒の自己肯定感に関する状況」では、「自分には、よいところがありますか」や「先生はあなたのよいところを認めてくれていると思いますか」について、「当てはまる」「どちらかと言えば、当てはまる」と回答した児童生徒の割合は、26年度以降、増加傾向にある。平均正当率との関係においても、いずれも高い結果となっている。

特に後者については、教師が児童生徒のよいところを認める傾向が強くなっているのが明らかであるが、これも小学校で約14%、中学校で約20%の児童生徒がそう思っていない結果となっており、さらに努力を求めたい。

全体としてよい傾向になっていることがわかるが、子供のより確かな進歩・向上のためには、いまだ不十分にとどまっている学校・教師への指導をより徹底することを求めたい。

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