中学校教育70年 振り返りと展望を聞く 直田益明全日中会長インタビュー(後編)

cu20171016本文_中学校教育70年昭和22年にスタートした新制中学校教育は今年、70年を迎えた。10月19日には都内で、記念式典が開かれる。第41代にあたる全日本中学校長会(全日中)現会長の、直田益明東京都世田谷区立芦花中学校長に、今後の展望などを聞いた。


――この10年の大きなトピックス2つのうち、1つは東日本大震災。もう1つは?

全日中教育ビジョンだ。平成21年10月に、全日中教育ビジョン「学校からの教育改革」を提示・公表した。これは行政主導でなく、校長が、つまり学校内部から、自らの明確な改革ビジョンを持って積極的に教育改革に迫ろうと出てきたビジョンだ。全校長が共有している。

これまで2回改訂しているが、これから先も、その時々で、改革に必要なことに学校からの視点を盛り込んでいきたい。

――今後の全日中の展望は。

まずは次の10年に向けて――だが、大前提として、10年後の中学生が、本当に日本中の中学生が元気で明るく輝いて、中学校に通って勉強、部活、スポーツ、あるいは趣味ができるように、校長として頑張っていきたい。

その上で、これから10年間の課題は2つある。1つは新学習指導要領の全面実施。理念をしっかりと受け止めて、やっていかなければいけない。だが、そう簡単ではないと思う。例えばカリキュラムマネジメント。防災教育にしろ、健康教育にしろ、1つの教科や、1つの領域だけで収まるものではない。またがっている。新学習指導要領の全体像は、管理職や教務主任は頭に入っていると思う。しかし、そのレベルにとどまらせず、教員一人一人がそういう意識を持つことが大切だ。それには、小学校長よりも、中学校長の方が、よりリーダーシップを発揮しなければいけない。中学校は教科担任制だから、自分の教科は一生懸命やっているが、ほかの教科は……という先生がいる。そういう先生にも意識を持たせるためには、やはり小学校長よりも中学校長が、よりリーダーシップを発揮しなければいけない。

移行措置も実際にやりだせば、また、さまざまな課題が出てくるだろう。全国の意見を集約して、文科省に現場の意見として伝えていくことも大切だ。そのためには、教員が本当に力を付けなければいけない。

――もう1つは?

教員の働き方改革だ。非常に大事な課題だ。定数改善にもつなげてほしいが、それだけで終わる問題ではない。教員が誇りと喜びを持って、職務に従事できる環境にしなければいけない。30年後、50年後の、日本の教員という職業にかかわってくる、大きな一歩だと思う。今ここで角度が1度違うと、30年後、50年後の姿はひどくずれるだろう。

定数改善とともに、教員しかできない仕事を集約しなければいけない。