詳報 2016年度問題行動調査(確定値)

文科省は2月23日、2016年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の確定値を公表した。昨年10月の速報値公表後に、都道府県教委などから報告された数値の訂正などを反映させた。速報値と比較すると、小・中・高・特別支援のいじめの認知件数の総数が665件、不登校などの長期欠席が715人、高校の中途退学者が374人、それぞれ減少した。確定値で減少したものの、いじめの認知件数は依然として過去最多だった。

暴力行為の発生件数は、▽小学校 2万2841件(前年度比 5763件増)▽中学校 3万148件(同2925件減)▽高校 6455件(同200件減)――となり、小・中・高校の合計値は5万9444件(同2638件増)となった。

このうち、▽対教師暴力 8018件(同194件減)▽生徒間暴力 39484件(同3379件増)▽対人暴力 1352件(同49件減)▽器物破損 1万590件(同498件減)――となり、生徒間暴力の増加が目立つ。

暴力行為が学校の管理下で発生した学校数は1万979件(同679校増)で、全学校数に占める割合は30.6%だった。学校の管理下以外で暴力行為を起こした児童生徒が在籍する学校数は2133校(同56校減)で、全学校数に占める割合は5.9%だった。

いじめの加害児童生徒数は、▽小学校 1万9750人(同4662人増)▽中学校 3万490人(同2268人減)▽高校 7657人(同464人減)――で、小・中・高の合計値は5万7897人(同1930人増)だった。中・高では減少したものの、小学校で大幅に増えた。

加害児童生徒のうち、学校が何らかの措置を取った児童生徒は、▽小学校 111人(同22人増)▽中学校 694人(同212人減)▽高校 5716人(同452人減)――だった。また加害児童生徒のうち、関係機関により何らかの措置が取られた児童生徒は、▽小学校 219人(同31人増)▽中学校 1616人(410人減)▽高校 291人(同35人減)――だった。いずれも、小学校で増加している。

いじめの認知件数は、▽小学校 23万7256件(8万5564件増)▽中学校 7万1309件(同1万1807件増)▽高校 1万2874件(同210件増)▽特別支援 1704件(同430件増)――となり、小・中・高・特支の合計値は32万3143件(同9万8011件増)となった。なお、16年度調査から、けんかやふざけ合いなどの行為も含め、子供が感じる被害性に着目していじめの認知を行うようになった。その影響もあり、いじめの認知件数は大幅に増加し、過去最多となった。このうち、いじめ防止対策推進法に規定する重大事態の発生件数は396件(同82件増)だった。

いじめを認知した学校数は2万5700校(同2143校増)で、全学校数に占める割合は68.3%だった。いじめ発見のきっかけは、▽アンケート調査などでの発見 51.5%▽本人からの訴え 18.1%▽学級担任による発見 11.6%――だった。いじめを受けた児童生徒の相談状況では、「学級担任に相談」が77.7%で最も多かった。

不登校の児童生徒数は、▽小学校 3万448人(同2865人増)▽中学校 10万3235人(同4827人増)。合計値は13万3683人(同7692人増)だった。在籍者数に占める割合は、小学校で0.5%、中学校で3.0%だった。

このうち90日以上欠席している者は、小学校で1万3736人、中学校で6万3706人、合計で7万7442人だった。出席日数が10日以下の者は、小学校で2231人、中学校で1万2600人、0日の者は小学校で877人、中学校で4077人だった。

学校内外の施設や機関などで相談・指導を受けた不登校児童生徒のうち、学校外の施設や機関などで相談や指導などを受けたのは4万2219人(同1206人増)、学校内の施設や機関などで相談や指導を受けたのは6万8969人だった。不登校生徒に占める割合は、前者が31.6%で、後者が51.6%だった。

高校の不登校生徒数は4万8565人(同998人減)で、中退者数は4万7249人(同2014人減)だった。そのうち、▽90日以上欠席している者 1万1152人▽出席日数が10日以下の者 2252人▽出席日数が0日以下の者 829人――だった。不登校生徒のうち、中途退学に至った者は1万2769人(同726人減)、原級留置となった者は3675人(同125人減)だった。

学校内外の施設や機関で相談・指導などを受けた不登校生徒のうち、学校外で受けたのは7644人(同137人増)、学校内で受けたのは1万9638人(同812人増)で、不登校生徒に占める割合は前者が15.7%、後者が40.4%だった。

高校の中途退学者数は4万7249人(同2014人減)で、在籍者数に占める割合は1.4%だった。中途退学の理由は▽学校生活・学業不適応 33.6%▽進路変更 33.8%▽経済的理由 2.6%――だった。

懲戒による退学者は312人(同47人減)、原級留置者は1万2400人(同1210人減)だった。16年度中に中途退学した者のうち、再入学した者は937人(同38人減)、編入学した者は6535人(同940人減)だった。

自殺者数の小・中・高校の合計値は245人(同30人増)で、中学校で13人、高校で17人増加した。自殺した児童生徒が置かれた状況として、いじめ問題があった児童生徒は10人だった。