世界の教員ナンバーワン 英の女性中学校教諭が受賞

eye-catch_1024-768_cl-up_fin3月18日夜、ドバイで開かれた「Global Education & Skills Forum 2018」の最終ステージでは、教育界のノーベル賞ともいわれる「グローバル・ティーチャー賞2018」が発表され、英国・ロンドン北部にある市立中学校の美術教員アンドリア・ザフィラク教諭が選ばれた。教育新聞の単独インタビューに、同教諭は「この賞を通じて驚異的な先生方に出会え、とてもエキサイティングだった。英国に帰ってからも、素晴らしい同僚たちと共に働くのを楽しみにしている」と喜びを語った。(ドバイ=教育新聞編集部長 小木曽浩介)


授賞式では、アラブ首長国連邦首相兼副大統領で、ドバイ首長のムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム氏と、主催者のバーキー財団会長のサニー・バーキー氏からトロフィーが渡された。そのトロフィーはサプライズとして、F1ドライバーのルイス・ハミルトンさんがドバイ市街地から会場に届け、シークレットゲストの歌手ジェニファー・ハドソンさんが同教諭の受賞を祝して歌唱を披露するなど、とても豪華なセレモニーとなった。また、テリーザ・メイ英首相がビデオレターで祝辞を寄せた。

アンドリア・ザフィラク教諭
アンドリア・ザフィラク教諭

同教諭は、ブレント市内のアルペルトンコミュニティスクールで、芸術とテキスタイルを教えている。同市は移民が多く、多様な民族が住んでおり、校内では130の言語が飛び交っている。生徒らの家庭は英国で最も貧しいレベルで、多くはギャングなどの暴力の危険にもさらされており、生徒らの疎外感も強い。

そうした状況で、同教諭はシニアリーダーシップチームのメンバーとして、生徒らの複雑な生活を理解し、保護者の信頼を得るために、全ての科目のカリキュラムを他の教諭と共に作り直した。また、生徒らが使ううちの35言語も努力して覚えた。その結果、同校は資格に関して国のトップ5%に入るなど、この5年ほどで急速に進歩し、成果は英国政府にも認められた。

また、同教諭は自身のクラスにも創造的なカリキュラムを導入し、生徒らのインスピレーションの促進と、複雑な家庭環境への対処に努めた。生徒が大学に進学し、職を得て、仕事ができるようになることが、最も誇りなのだという。

グローバル・ティーチャー賞の授賞式
グローバル・ティーチャー賞の授賞式

授賞式で、同教諭は「学校はどの生徒にとっても『安全な避難所』でなければならない。そして芸術科目を、より高く評価するべきだ。学校はクリエーティブな科目を通じて、生徒に大きなプラスを生み出せる。特に貧困層の人々の生活を変革するには、芸術の力を無視するべきではない」と力説した。

「教員のような仕事は他にはない。無私になり、子供の達成と機会作りに専念する。生徒のアイデアを、驚くべき結果に変えるこの仕事に、私はとても満足している」と語る同教諭。

日本同様、英国の教員もハードワークだといい、授賞式後に行った教育新聞の単独インタビューでは、日本の教員へのメッセージとして、「全ての日本の先生に、心から感謝したい。激務だが、コミュニティーを支え、子供たちの未来を形作る素晴らしい仕事。頑張ってほしい」と語った。

同賞は2014年に創設。教育分野で優れた功績のあった教員を表彰し、優勝賞金は100万ドル。今回は世界173カ国、3万件以上のエントリーがあった。日本からは、滋賀県立米原高校の堀尾美央教諭がトップ50に選出された。16年には、高橋一也工学院大学附属中学校・高等学校教頭がトップ10入りしている。

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