リーダーは「大義と共感」を 小池百合子都知事インタビュー

小池百合子東京都知事は6月の定例会見で、2019年度末までに待機児童問題を解消する目標に向けて保育サービスを一層充実させ、「女性も、男性も働きやすい社会を実現したい」と述べた。チャレンジするリーダーに大切なのは「大義と共感」と語る小池知事に、教員を含めた働き方改革や女性管理職についての考えを聞いた。


■働き方を変えた自負
――都知事就任後すぐ、教職員を含む都の職員に「業務の効率化」「毎日8時完全退庁」「週に一度は定時帰宅」など、新たな目標を示して実行した。その理由は。

前提として、仕事をする上では目的、「誰のためにいつまでに何をやるのか」を明確にする必要があります。そうでなければ24時間、365日がただ過ぎるだけで、自分がへとへとになるだけでなく、相手からもありがたく思われない。それはもったいないことです。

以前から私は、日本人の働き方はとても非効率的で、「長時間同じ場所にじっとしているのが仕事だ」という勘違いがあると思ってきました。それを正さないと、身体を悪くしたり、退職後に地域に居場所がなかったりなど、とても不幸なことになってしまいます。働き方や、仕事の進め方、内容を改めるべきだと思いました。

働き方改革についても、都知事になって真っ先に着手し、改革を進めた自負があります。学校の先生をはじめとする都職員はもちろん、都民の皆さまの働き方改革に、都知事としていち早く着手することができました。中でも女性、子育て中の母親の働き方を変えることも、とても大切なことです。都民の半分は女性ですから。女性の力が十分に生かされることは、都にとっても大きなプラスのエネルギーになると確信しています。

――反対意見もあったと思うが、どのようにして実現を。

リーダーに大切なのは、大義をもち、それを分かりやすく説明し、みんなが共感を得るようにすることです。そうすればチャレンジも受け入れてもらえると思っています。

フレックスタイム制も4月から本格導入しました。その大義は「働き方を変えること」「みんなの健康を守ること」。世の中の移り変わりは早く、学校の先生方も英語やIT、プログラミング教育など、勉強することがたくさんあって、自分磨きの時間も必要でしょう。ですから、この「大義」が先生方の「共感」につながると信じています。

インタビューに応じる小池百合子東京都知事

■両方をかなえる
――待機児童問題解消のねらいは。

子供とのスキンシップで、肌と肌を触れ合わせることは情操教育の観点でとても大事です。また、経済的に収入を得ることも、子育てには必要。お母さんの「自分育て」のためにも必要です。両方がかなえばよいはずです。

海外では、「子育てをしながら仕事をするのが当たり前」というケースを多々見てきました。日本の母親だけが苦労をするのはおかしいと常々考えていたので、ぜひ変えようと。

子供を必要なときにお預かりして安全に過ごしてもらい、学びをする施設や、医療的なケアが必要な子にふさわしい施設を用意できれば、子供のいるご家族を支援していけます。医療的ケアは苦労が多く、より多くの費用が必要になります。医療的ケア児を抱えながら仕事をする母親を助けることで、子供自身やご家族にとっても安心な生活を提供したいと考えました。

■理想の管理職に自分でなる
――女性管理職へのメッセージは。

都の職員から意見を募る「目安箱」への投書やいただいたお手紙は、全て目を通すようにしています。気付くのは、学校の先生からの訴えが多いこと。たぶん、コミュニティーが小さいことも背景にあるでしょう。

狭い世界では、いろいろなことが気になってしまう。時には鳥の目になって、大きく物事を捉えて俯瞰(ふかん)することも大事です。そうすれば日々の嫌な出来事も、自分自身も客観的に見ることができるでしょう。

女性は子育てなど、男性と違う苦労もあると思います。ですが、「こんな上司だったらいいのに」と思うこと、上司に対して物を言いたくなることもあるでしょうから、「こういう理想の管理職に自分でなってみよう」と前向きな気持ちでトライされたらいいのではないでしょうか。女性がもっともっと活躍できる社会に、私も貢献していきます。

(小松亜由子)

あなたへのお薦め

 
特集