スポーツマネジメント発の学級チームビルディング(中)個の強みは人のために使う 学びを支える新たな教師像

グループワークをさらに進化させた「チーム学習」。学級運営にスポーツマネジメントを応用し、それぞれの児童の個性を生かす“先生が教え過ぎない授業”だ。元神奈川県公立小学校教諭で、現在は佐久穂町イエナプランスクール設立準備財団理事を務める桑原昌之氏に、「チーム学習」を成り立たせるための、居心地のよい学級づくりの秘訣(ひけつ)を聞いた。2回目は、桑原氏の教員人生の変遷をたどる。




■教師とサッカークラブコーチの駆け出し

――「チーム学習」を取り入れる前は、どんな教員でしたか?

自分自身が小・中学校で出会ってきた先生たちが、たまたま個を尊重してくれる方々だったこともあり、高校生の時に教員を目指して大学へ進むことを決めました。しかし大学卒業後すぐは採用されず、非常勤で高校の保健体育講師を勤め、25歳の時に正規採用となり、神奈川県伊勢原市の公立小学校に勤務しました。

最初は、自分の中にあった「教師はこうあるべきなんじゃないか」という理想像に従って、必死になって型通りの一斉授業をしていました。しかし、1人で児童全員の学びの姿を細かく見ていくのが、とても大変でした。どうしても「置いて行ってしまう子」が生まれてしまうのです。その存在に気づいても、スケジュール通りに授業をこなすことに必死だったので、なんだか自分自身が苦しくなってしまうことがありました。

地域のサッカークラブのコーチをしている時も、同じ課題にぶち当たることがありました。……

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