堀江貴文氏に聞く(下) 読者へのメッセージ

サポート校「ゼロ高等学院」の主宰を務める堀江貴文氏は、いまの学校をどう見ているのか。堀江氏は「いずれカタストロフィー的なものが起こる」と予見する。その真意と、読者へのメッセージを聞いた。(聞き手・教育新聞編集部長 小木曽浩介)


■「僕は教育者ではない」
――教育者としての所信はありますか。

何もないです。僕は教育者ではないです。

――この質問をしたら、どんな反応だろうかと思ってはいたのですが。

「教育者」という概念がいやです。何を、そんなに偉そうなのと思います。偉そうな雰囲気があるじゃないですか。それがいやで、嫌いです。僕はただただ「アドバイスするおじさん」です。

ゼロ高も「気付く」ための手段にすぎません。きっかけを与えるためです。みんなが本質に気付くための。

■自己否定せざるをえない
――では、教育新聞読者へのメッセージを。
入学式で生徒にアドバイスする堀江氏

自己否定するのは大変だと思いますが、せざるをえない。世の中は、皆が思っている以上に急速に進んでいくので。

自分がしていることが「あまり意味がないなあ」と思って、「意味があることをしよう」と考えても、いまの制度の中ではできないので大変だと思います。僕だったら、もう無理です。「意味のないことをしているなあ」とずっと思い続けるのは、僕ならたえられない。

だから先生もいずれ、僕のような活動を始めるのではないでしょうか。

■学校崩壊
――「教員が自ら行動する。そうしないと学校は変わらない」ということですか。

変わらないというよりは、なにかカタストロフィー的なものが起こると思います。突然、「えー、こんなことになっているの」みたいなことが。

いま、例えば飲食店の現場は崩壊しつつあります。従業員が集まらなくて、店を閉めるケースがけっこうあるんです。やりがいのない、単に安いだけの店で、ただメニューを出すだけの仕事なんて、やりたくないですよね?

自然に考えて、やりたくない。「やりがいがない」「つまんない」から、「働きたくないよね」「じゃあ働かない」という当たり前の結論に、みんながなっていく。

その当たり前の結論が、人口減の中で影響する。人口減なんて、昔から分かっていたわけじゃないですか。働き手不足になりますよね。当たり前です。

「だけど時給を上げたら、うちの経営がたちゆかないです」

「じゃあ、値段あげたらいいじゃない」

「ゼロ高は『気付く』ための手段」と語る堀江氏

そういう当たり前の結論になかなか達しなくて、みんなばかだったと思います。

牛丼屋もそう。昔の創業者は「手渡しでおつりをあげるのが大事だ」みたいなことを言っていました。赤字になって、そんなことを言っていられなくなるわけです。自動券売機や自動レジにして、最終的にセルフサービスになる。

でも牛丼は、セルフサービスでいいじゃないですか。なんならコンビニの店頭に、おでんみたいに置いておいてもいい。

そうですねという、当たり前の結論に達しないわけですよ、不思議なことに。

――不合理なことは、たくさんありますね。なぜ最初から合理的にできないのでしょう。

もうかっていると、やらないわけです。だからお金がなんとなく回っていると、学校もやらないのですよ。けれどもある時期から、大学はもうそうなっていますが、もっともっとやばくなってくると思います。

――このままでは、それが崩壊という形になって出てくると。

そうです、そう思います。