いじめ防止対策推進法 見えてきた課題(3) 被害者側の視点

いじめ被害に遭った児童生徒が自ら命を絶ち、遺族が真相解明を求めて戦わざるをえなくなるケースがある。一人娘をいじめで失った被害者遺族(両親)であり、国などにいじめ被害者側の知る権利を求めている、NPO法人「ジェントルハートプロジェクト」の小森新一郎代表と美登里理事に、いじめ防止対策推進法の評価と課題を聞いた。


■緊張感のない学校現場

――いじめ防止対策推進法は役立っているといえるか。

美登里氏 いじめに対する法律そのものが、これまで存在しなかった。同法によって、いじめの定義や対策が明記されたことになる。しかし、教育現場が法律通りに機能しているかといえば、そこには大きな乖離(かいり)がある。法律に対し、どうしていいか分からない現場の混乱を感じている。

なぜなら、重大事態が起こったときの対応がはっきり書かれているにもかかわらず、肝心のいじめ予防に関して具体策がないからだ。そのために、具体策が一方的に教員に委ねられてしまっている。法律に従って各学校でいじめ対策に関する組織を作ったものの、ほとんど機能していないのが現実ではないか。

重大事態が起きたとき、被害者側にとって、この法律は戦う術にはなる。……

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