プレテスト2018 マーク式問題の結果分析


大学入試センターが12月27日に公表した、大学入学共通テストの実施に向けた2018年度試行調査(プレテスト)のマーク式問題に関する分析結果では、表1に示したように、全19科目のうち14科目で平均正答率が5割程度以上となった一方、数学と理科の一部科目では下回った。科目ごとに解答結果を分析する。

表1
科目名 平均正答率
国語 ※ 46.9
数学Ⅰ・A ※ 34.5
数学Ⅱ・B 44.9
世界史B 59.2
日本史B 53.6
地理B 60.0
現代社会 51.8
倫理 52.3
政治・経済 49.6
物理基礎 53.6
化学基礎 49.2
生物基礎 47.5
地学基礎 57.5
物理 38.9
化学 51.0
生物 32.6
地学 42.7
英語(筆記) 56.4
英語(リスニング) 59.1
※国語、数学Ⅰ・Aは記述式問題を除いて算出

国語は6万7745人が受検。マーク式問題の部分は200点満点で、最高は194点、最低は0点だった。

大問6つで構成。マーク式問題の設問正答率を見ると、第2問、問5、解答番号9(配点8点)のテキスト全体の内容と構成を踏まえ、文章の表現の効果を適切に示す問題で正答率が17.1%と低かった。

第3問、問6(ⅰ)、解答番号8(配点6点)の、テキスト全体の内容を把握し、それぞれのテキストにおける表現の効果に関する問題は22.1%、第4問、問2、解答番号3(配点5点)の文脈との関連で語句の意味を捉える問題は28.8%、同問3、解答番号5(配点7点)の、テキスト全体における人物相互の関係を踏まえ、登場人物の言動の意味を適切に示す問題で28.2%と、比較的低かった。

「世界史B」

世界史Bは2725人が受検。100点満点で最高は100点、最低は12点だった。

大問5つで構成。各問題の設問正答率を見ると、第2問B、問4、解答番号12(配点2点)の、資料から近代のフィリピンにおける植民地支配への抵抗を国際関係の中で捉える問題で、正答率が33.2%だった。第5問B、問5、解答番号33(配点3点)の、グラフ上で指定された時期における米国大統領を特定し、その外交政策について考察・判断する問題が37.5点と比較的低かった。

「日本史B」

日本史Bは4200人が受検。100点満点で最高は100点、最低は8点だった。

大問6つで構成。各問題の設問正答率を見ると、第2問、問3、解答番号10、11(配点3点)、中央政府が整備した官道や城柵が周辺地域に与えた影響を捉え、その評価の根拠となる歴史的事象について複数選択する問題で正答率が9.1%だったのをはじめ、第6問、問1、解答番号29(配点3点)の夏目漱石が果たした事績の特徴を捉える問題で29.2%、同問3、解答番号31(配点3点)、大正から昭和初期にかけての大衆文化の特徴を捉え、大正デモクラシーとの関係を考察する問題で23.1%と比較的低かった。

「地理B」

地理Bは1203人が受検。100点満点で最高は94点、最低は0点だった。

大問5つで構成。各問題の設問正答率を見ると、第1問、問3、解答番号3(配点4点)の降水の季節変化と地図上の位置から気候の特徴を捉え、各地点での降水に影響する気候因子を考察する問題で正答率が12.1%だったのをはじめ、第2問、問1、解答番号7(配点3点)、地域別のエネルギー資源の埋蔵量と可採年数の表を読み取り、人口や産業の発達を踏まえて各地域の特徴を考察する問題で27.9%、第3問、問1、解答番号13(配点3点)の主な宗教の分布図を読み取り、世界の人口分布の知識と関連させ、世界の宗教・宗派別人口について考察する問題で29.9%、第5問、問2、解答番号28(配点3点)、大分市の旧版地形図と地理院地図を読み取り、両者の比較から地域の変遷を考察する問題で25.4%だった。

「現代社会」

現代社会は2677人が受検。100点満点で最高は91点、最低は0点だった。

大問6つで構成。各問題の設問正答率を見ると、第1問、問4、解答番号4(配点3点)の、青年期の始まりに関するさまざまな考え方を基に、現状を正しく説明したものかどうかを判断する問題で正答率が10.6%。同問7、解答番号7(配点3点)の資料で示されたラッセルの「幸福」についての考え方を基に、幸福への努力の仕方を考察する問題で17.9%、第2問、問5、解答番号14(配点4点)の現代の国際政治の展望について国際経済と共に時系列的に捉える問題で11.1%と低かった。

「倫理」

倫理は1489人が受検。100点満点で最高は97点、最低は6点だった。

大問4つで構成。各問題の設問正答率を見ると、当てはまる選択肢を全て解答させる第1問C、問8、解答番号11(配点3点)のユダヤ教、キリスト教、イスラム教に共通する特色を捉える問題で正答率が20.2%だった。複数選択による第3問A、問1、解答番号23・24(配点各2点)の、ルネサンス期の自由意志に関する資料を基に、自由意志のさまざまな考え方を相互比較する問題で全て正答したのが20.2%だった。

「政治・経済」

政治・経済は2243人が受検。100点満点で最高は96点、最低は7点だった。

大問4つで構成。各問題の正答率を見ると、第1問B、問5、解答番号5(配点4点)の、人口1000人当たりの公的部門における職員数を国際的に比較した資料を読み取る問題で、正答率が21.1%。同問6、解答番号6(配点3点)の、地方自治制度や地方財政についての理解を基に、その特徴を示す適切な資料を判断する問題が14.3%だった。

「数学Ⅰ・A」

数学Ⅰ・Aは6万5764人が受検。マーク式問題の部分は85点満点で、最高は85点、最低は0点だった。

大問五つで構成。第3問~第5問は、そのうち二つを選んで解答する。選択率は▽第3問 76.0%▽第4問 75.3%▽第5問 48.8%――だった。

マーク式問題の設問正答率を見ると、当てはまる選択肢を全て選択する問題の第2問〔1〕(1)(ⅱ)、解答記号カ~ク(配点4点)、線分の長さの平方を時間に関する二次関数と捉え、そのグラフを総合的に考察し、線分の長さの取り得る値を判断する問題の正答率が3.0%だった。同(2)の解答記号ケ~ス(配点3点)、前問(記述式)での考察を踏まえ、条件を変えた三角形が与えられた面積になる時刻を求める問題が1.6%だった。第4問(5)の解答記号チ~ト(配点3点)、前問までの考察を基に条件を変更した一次不定方程式が0以上の整数解を持たない場合を考察する問題は1.1%だった。

「数学Ⅱ・B」

数学Ⅱ・Bは4935人が受検。100点満点で最高は95点、最低は2点だった。

大問5つで構成。第3問~第5問は、そのうち二つを選んで解答。選択率は▽第3問 19.4%▽第4問 94.4%▽第5問 86.2%――だった。

各問題の設問正答率を見ると、当てはまる選択肢を全て選択する問題の第1問〔3〕(2)(ⅳ)、解答記号ニ(配点3点)、前問までの考察を振り返って、対数物差しを用いて四則演算や指数・対数の計算の可能性について考える問題で正答率は1.3%。同じく、当てはまる選択肢を全て選択する問題の第2問〔2〕(1)(ⅲ)、解答記号ニ(配点3点)、軌跡と放物線との共有点の個数が与えられた点の座標によってどのように変化するかを考察する問題で2.7%だった。

「物理基礎」

物理基礎は591人が受検。50点満点で最高は50点、最低は0点だった。

大問3つで構成。各問題の設問正答率を見ると、第2問B、問3、解答番号10(配点2点)の、重力加速度が地球と異なる惑星上で鉛直上向きに投げ上げた物体について、働く力の大きさと向きを異なる三つの高さで特定する問題で正答率が23.0%とやや低かった。

「化学基礎」

化学基礎は4049人が受検。50点満点で最高は50点、最低は0点だった。

大問3つで構成。各問題の設問正答率を見ると、共有結合している原子の酸化数の求め方に関する文章を理解した上で、有機化合物中の原子の酸化数を考察し値を求める第2問、問2で、正答率は解答番号7(配点3点)が17.9%、解答番号8(配点3点)が22.0%と比較的低かった。

「生物基礎」

生物基礎は5988人が受検。50点満点で最高は50点、最低は0点だった。

大問3つで構成。各問題の設問正答率を見ると、複数選択の第2問A、問2、解答番号8・9(配点各2点)で、ヒトの肝臓について中学・高校で学習した循環系・肝臓などの働きに関する理解を基に、その構造と流れる体液の種類やその流路を考察する問題で、全て正答したのが11.8%だった。第2問B、問6、解答番号13(配点3点)のヒトの血清療法について、免疫の応用に関する理解を踏まえ、再度血清を注射したときの体内で起こる抗体産生に伴う抗体量の変化と日数を考察し、そのグラフを特定する問題では3.8%と低かった。

「地学基礎」

地学基礎は2398人が受検。50点満点で最高は50点、最低は0点だった。

大問3つで構成。各問題の設問正答率を見ると、第1問B、問3、解答番号3(配点4点)の、先カンブリア時代における大気組成の変化について、光合成生物の働きに関する理解を基に、大気中の酸素濃度が上昇した時期と、それに大きく関係した生物の種類を考える問題で、正答率が12.1%と低かった。

「物理」

物理は3196人が受検。100点満点で最高は100点、最低は0点だった。

大問4つで構成。各問題の設問正答率を見ると、第1問、問2、解答番号3(配点4点)の、大気のない惑星で宇宙船が水平に等速直線運動をするために燃焼ガスを噴射すべき方向について、力のつり合いの理解を基に考察する問題の正答率が19.7%、同、問3の解答番号5・6(配点5点)の、断熱材でできたシリンダー内にピストンで閉じ込められた理想気体について、ピストンの穴から気体を解放した際の温度変化とその原因を、気体がされた仕事の理解を基に考察する問題で6.6%、当てはまる選択肢を全て選択する問題の同、問4、解答番号7(配点5点)、凸レンズの上半分を隠して、レンズの左側にある物体の先端部分がレンズ右側のどの点で見えるかを、凸レンズの性質やレンズを通る光の進路の理解を基に考察する問題で13.4%、同、問5、解答番号8~10(配点4点)、ボーア模型についての理解を基に水素原子中の電子がn=2の軌道からn=1に落ちる際に放出される光子のエネルギーの値を求める問題で10.0%だった。

「化学」

化学は4679人が受検。100点満点で最高は100点、最低は0点だった。

大問5つで構成。各問題の設問正答率を見ると、解答が前問の解答と連動し正答の組み合わせが複数ある、第1問、問2、解答番号2~4(配点4点)、表の中から必要な燃焼熱を取り出し、与えられた二つの熱化学方程式を用いてアルカンの生成熱を求め、最後に指数を使った有効数字を示す形式に処理する問題で正答率が19.7%だった。

「生物」

生物は1611人が受検。100点満点で最高は81点、最低は7点だった。

大問5つで構成。各問題の設問正答率を見ると、第2問B、問7、解答番号8(配点4点)の植物の花芽形成の性質について、バイオームと植物の生存戦略に関する理解を基に、全ての情報を統合して、原種の生育環境を推定する問題で正答率が9.3%。同、問8、解答問題9・10(配点5点、ただし部分正答あり)、植物の生産量について、生産者の物質収支に関する理解を基に、乾燥重量などのデータから純生産量と総生産量を見積もる問題で全て正答したのは6.7%だった。第3問、問2、解答番号2(配点3点)の、ショウジョウバエの受精卵における調節タンパク質の濃度勾配の形成について、胚の前後軸の決定に関する理解を基に卵に局在する調節タンパク質が適切に働くために不可欠な卵や胚の性質について考察する問題で14.3%。同、問4、解答番号4(配点5点、ただし部分正答あり)の、ホメオティック遺伝子の働き方について、ショウジョウバエの変異体の知見を基に、チョウの形態形成のメカニズムについて、仮説の整合性を判断する問題の正答が7.8%だった。第5問B、問7、解答番号8(配点4点)の、遺伝子頻度について、遺伝的浮動に関する理解を基に、ALDHの正常型・変異型について集計した表の数値から、数的処理をして推定値を求める問題で6.4%だった。

「地学」

地学は130人が受検。100点満点で最高は74点、最低は3点だった。

大問5つで構成。各問題の設問正答率を見ると、第1問B、問6、解答番号6(配点3点)の、地震波の性質について、走時曲線の分析から推定される地球内部の構造などに関する理解を基に、現象を説明する内容として適切なものを特定する問題で正答率が19.2%だった。第3問、問4、解答番号4(配点4点)の、露頭で観察できる地層について、地質構造の理解を基に、走向・傾斜の情報から、地層の分布を三次元的に推定し、特定の場所に現れる地層を推定する問題では9.2%だった。第5問A、問3、解答番号3(配点4点)の、太陽と金星の離角について、惑星現象に関する理解を基に金星の東方最大離角時の太陽・金星・地球の位置関係を特定する問題の正答率が19.2%だった。

「筆記(リーディング)」

英語の筆記(リーディング)は1万2990人が受検。100点満点で最高は100点、最低は0点だった。

大問6つで構成。各問題の設問正答率を見ると、当てはまる選択肢を全て選択する問題の第5問、問2、解答番号32(配点5点)、ある人物に関する伝記を読んで、彼が実業家としてどのような人物であったのかを把握する問題で正答率が8.7%と低かった。

「リスニング」

英語のリスニングは1万2927人が受検。100点満点で最高は100点、最低は0点だった。

大問6つで構成。各問題の設問正答率を見ると、第1問B、問1、解答番号5(配点4点)の、短い発話を聞いて出来事がいつ起きたのかを把握する問題で正答率が16.2%と低かった。第5問、問1(b)、解答番号29~31(配点4点)、技術革新と未来の職業に関する説明を聞いて、メモを取ることを通じ、要点を把握する問題で24.3%、当てはまる選択肢を全て選択する第6問B、問1、解答番号36(配点4点)、ゲームに関する意見を聞いて、それぞれの話者が賛成の立場か反対の立場かを判断する問題で27.5%と比較的低かった。