子供を主語にした学びを~木村泰子氏の教育改革(下)


障害の有無にかかわらず、全ての子供が同じ教室で学ぶフル・インクルージョンを実現した大阪市立大空小学校(大空小)。その初代校長を務めた木村泰子氏は、全ての子供たちが学び合い、育ち合う、多様な空気を学校につくり続けた。最終回は、インクルーシブ教育や、子供を主語にした学びを実現するために、教員にはどのような姿勢が求められるのかを聞いた。

■障害を見ていたら、その子は育たない

――大空小では、フル・インクルージョンを実現しました。近年、インクルーシブ教育への関心が高まり続けていますが、今後の見通しは。

今、教員養成課程を取るには、特別支援教育を7時間受講しなければなりません。その7時間の内容は、ほとんどが医学モデルに基づく授業です。

医学モデルに基づく授業では、「アスペルガーはこうです」「ダウン症とはこうです」といった形で知識を中心に学びます。もちろん、こうした知識は持っていた方がいい。でも、医学モデルだけでなく、社会モデルに基づく知識も学ぶ必要があると思います。

――社会モデルとは、どのようなものでしょうか。

例えば、自閉症の子は周りの人との関わりの中で、その特性が現れます。……

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