アクティブラーニングの新章(上) 協働の力は育っているか

新学習指導要領の全面実施が迫る中、学校現場ではアクティブラーニング(AL)への対応が喫緊の課題となっている。ALによって日本の学校教育は何を目指そうとしているのか、AL研究の第一人者である溝上慎一・桐蔭学園理事長代理/トランジションセンター所長・教授に聞いた。全3回。第1回では、日本の学校におけるALの現状と課題に迫る。


■教師の説明をしっかり聞かせる
――全国各地の学校とALによる授業研究に取り組まれていますが、ALが成功するための鍵は何でしょうか。

ALができていない授業の共通点は一つ、「児童生徒に指示が通っていない」という、それだけです。

この写真は、私が関わっている山形県立庄内総合高校の、最初の頃の授業風景です。これから実施するALについて、教師がプリントを使って生徒に説明しています。でも、よく見ると教師の説明を聞いていない生徒も多く、中には私語をしている者もいます。そんな状態でワークをやらせても、作業は形だけになり、質の高い学びにはなりません。このとき、なぜ「前を向け」と言えないのでしょうか。それは、教師と生徒の関係性ができていないからです。

これならば講義形式の方がまだましです。……