詳報・19年度全国学力調査 問題の内容と出題意図

4月18日に全国の小学6年生、中学3年生を対象に実施された2019年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)は、従来の国語、算数・数学に加え、新たに中学校で英語が実施された。詳報では、今回出題された各教科の問題を解説する。

なお、調査問題や正答例は国立教育政策研究所のホームページに公開されている。

小学校「国語」

小学校「国語」の問題は大問三つ、各問題は選択式、短答式、記述式の3種類で構成。解答時間は45分。

小学校「国語」大問3

大問1では、生活の中で気になったことを調べて発表する想定で、公衆電話に関する報告文を読み、グラフやアンケート、地図といった資料を用いた目的を答える。

条件に合わせて40~70字で調査結果から考察したことを記述する問題や、推敲(すいこう)の結果、書き直した文章を答えさせる問題が出題された。目的や意図に沿って調べたことを報告する文章を、図表やグラフを用いて自分の考えが伝わるように工夫して書けるかをみる。

大問2では、食べ物への疑問をテーマに、児童が調べた内容をまとめたノートの一部や資料を基に、その児童が考えたことについて答える。児童の疑問の答えについて、資料のキーワードや文章を用いて40~70字で記述する問題や、本の目次から目的に合った情報が載っているページを探す問題が出された。目的に応じて文章の内容を適切に捉え、自分の考えを明確にしながら読めるかをみる。

大問3では、自治体広報誌のインタビュー記事の取材・作成過程を基に、質問の狙いや工夫を答える。話し手の発言から言葉や文を取り上げ、記事の言葉遣いに合わせて、30~60字以内で記述する問題や、インタビュー中に出てきた「習うより慣れろ」ということわざの使い方を選ぶ問題が出された。必要な情報を得るため、話し手の意図を捉えながら聞いたり、自分の考えをまとめたりできるかをみる。

小学校「算数」

小学校「算数」の問題は大問四つ、各問題は選択式、短答式、記述式の3種類で構成。解答時間は45分。

小学校「算数」大問4

大問1では、1センチメートル四方の方眼紙にさまざまな図形をつくり、合同な台形を組み合わせてできた形の面積の求め方を、文章や数で表現させる問題が出された。図形の性質や要素に着目して、図形を観察・構成したり、筋道を立てて考察・表現したりできるかをみる。

大問2では、自治体の水使用量グラフの読み取りから、どんなことが言えるかを説明させたりする問題が出題された。日常生活の中にある身近な問題解決のために、資料の特徴や傾向を基に考察したり、複数の資料の特徴や傾向を関連付けて判断したりできるかをみる。

大問3では、くり下がりのある引き算や、割り算の計算の仕方について説明させる問題が出題された。計算の仕方を解釈して適用したり、発展的に考察したりできるかをみる。特に、減法の場合を基に、除法に関して成り立つ性質を表現できるか、除法の式の意味を理解しているかを問う。

大問4では、遊園地の乗り物券を買う列に並ぶことを想定し、自分の順番が何分後に来るかを予想したり、観覧車に乗ることができるのは何秒後になるかを求める式を答えさせたりする問題が出題された。

また、レジを待つ列と並行して等間隔に設置されたポールの数から、レジに着くまでの時間を考える問題もあった。日常生活の中にある問題解決のために、場面の中で変化する二つの数量を見いだし、数学的に表現・処理して判断できるかをみる。

中学校「国語」

中学校「国語」の問題は大問四つ、各問題は選択式、短答式、記述式の3種類で構成。解答時間は50分。

中学校「国語」の大問1

大問1では、問題用紙Ⅱに示された架空の「全国中学生新聞」について、日本の「弁当」に関する内容と中学生が創作した短歌などが掲載された紙面から、文章の構成や表現について答える。

記事中、枠で囲まれた文章の役割や弁当の魅力を全て選ぶ問題、掲載された短歌の作品の中から一首を選び、感じたことや考えたことを選者のコメントを参考に書く問題、新聞の投書欄に投稿することを想定し、封筒の宛名の書き方を答える問題が出題された。文章の展開や表現について、根拠を明確にし、文章に表れているものの見方や考え方に対して自分の考えを持てるかをみる。

大問2では、生徒会での文化祭の内容について話し合う場面を設定し、会話に登場する生徒がどのような役割を果たしているかや、議論の中の発言の意図を聞く問題のほか、話し合いの流れを踏まえ、決まっていないことを明確に示した上で、それを解決する具体案を考える記述問題が出題された。

話し合いの話題や方向を把握しながら、自分の考えを持ち、相手に分かりやすく伝える表現への理解をみる。

大問3では、「意見文の下書き」と、下書きをまとめた後に新たに入手した資料(広報誌の一部)を基に、下書きに追加する情報や文章を考えさせる問題が出題された。一度書いた文章を読み直し、論の展開にふさわしくなるように検討したり、伝えたい事柄について根拠を明確にして書いたりできるかをみる。

大問4では「インターネット」を「ネット」と書くように、一部を略した表現の説明として適切なものを二つ答えさせる問題もあった。

中学校「数学」

中学校「数学」の問題は大問九つ、各問題は選択式、短答式、記述式の3種類で構成。解答時間は50分。

中学校「数学」の大問8

大問1~5については、それぞれ、中学校で学習した基本的な内容を基に、当てはまるものを答えたり、計算で求めた結果や式にして表したりする単一の問題が出された。
大問6では、家庭で冷蔵庫を購入する場面を想定し、容量や価格、年間の電気代をまとめた表を基に、年間のコストを式やグラフにして比較。与えられた情報から、数学的に表現したことや数学的な結果を事象にのっとって解釈したり、問題解決の方法を数学的に説明したりできるかをみる。

大問7では、四角形を構成する辺の中点同士を結んだ図形に関する証明について、生徒の予想を踏まえ、どのような四角形であれば証明が成り立つかを文章で記述する。図形の性質を考察する場面で、筋道を立てて考え、数学的な結果を事象にのっとって解釈し、統合的・発展的に考察し、新たに見いだした事柄を説明できるかを問う。

大問8では、図書委員会による生徒の読書活動のアンケート結果をまとめた表やヒストグラムを基に、分析した図書委員の考えが誤りであることを説明させたり、アンケート結果をまとめた図書だよりの分析は、グラフのどの値に着目すると分かるかを答えさせたりする。

資料に基づき不確定な事象を考察する場面で、資料の傾向を読み取り、批判的に考察し、判断した根拠を数学的な表現で説明したり、数学的な結果に基づいて判断したりできるかをみる。

大問9では、連続する奇数の和に関する予想が成り立つことを説明させたり、その数がどのような性質を持っているかを答えさせたりする。

見いだされた事柄について筋道を立てて考え、事柄が成り立つ理由を説明したり、統合的・発展的に考察したりできるかを問う。

中学校「英語」

中学校「英語」の問題は、「聞くこと」が大問四つ、解答時間10分、「読むこと」が大問四つ、解答時間20分、「書くこと」が大問二つ、解答時間15分、「話すこと」が大問三つ、解答時間15分(準備など含む)で構成。各問題は選択式のほか、口述式を含む短答式と記述式の3種類。

英語「話すこと」調査の問題(大問2)

「聞くこと」では、英語による放送を聞いて、その内容を説明するのに最も適している絵を選ぶ(大問1)問題や、授業で二つの国について調べたことを発表する場面を想定し、発表者が見せた絵の順番を答える問題(大問2)、天気予報を聞きながら、ピクニックに出掛ける最適な曜日を選ぶ問題(大問3)が出題された。

また、来日する予定の留学生の音声メッセージを聞いて、アドバイスを英語で書く問題(大問4)も出題された。英語を聞いて情報を正確に聞き取れるかや、話の概要を理解できるか、聞いて把握した内容に適切に応じることができるかを問うた。

「読むこと」のうち、大問5では、英文が説明している絵を選んだり、月ごとの平均気温を表したグラフから読み取れることを正しく説明している文章を選んだりする問題を出題。

また、生徒の100円ショップについて発表した文を読み、発表の冒頭で示した流れを説明するスライドを選んだり(大問6)、外国人教師との会話文を読み、文中に入る内容を選んだりする(大問7)ものが出された。さらに、大問8では、授業で配られた英文の資料を読み、自分の考えを英語で書かせる問題が出た。

英語を読んで内容を正確に読み取れるかや、長い文章のあらすじ、ポイントを理解できるか、話の内容や書き手の意見をとらえ、自らの考えが示せるかをみる。

「書くこと」のうち、大問9では、接続詞を答えさせたり、単語を補って英文を完成させたりする問題や、ある人物に関する複数の情報を踏まえ、その人物を説明する英文を作成する問題が出た。

大問10では、海外のある町で外国人旅行者にも分かりやすいタウンガイドを作成する際、学校を表す二つのピクトグラム(案内用図記号)のうち、どちらがよいかをインターネットで意見公募しているという想定で、どちらのピクトグラムがよいかと、その理由について自分の考えを25語以上の英文で説明する。基本的な語句や文法事項を踏まえた表現ができるか、与えられたテーマについて自分の考えを複数のまとまりのある文に書けるかをみる。

「話すこと」では、いずれの問題も、問題の音声を聞いて、その答えを英語で発声し、コンピューターに入力する音声録音方式で実施。

大問1では、コンピューターの画面上に表示されたイラストに関する質問に対して解答する。大問2では、外国人教師と生徒の会話を聞き、会話が続くような質問を外国人教師に向けて投げ掛ける。大問3はテレビ局のインタビューを受ける想定で、自分の将来の夢とその実現のために頑張っていること、やるべきことを1分間で考え、30秒以内で答える。

英語の基本的な音声の特徴を理解しているかや、身近な英語の質問に答えられるかをみるほか、即興的な英語でのやり取りや自分の考えをまとまりのある内容で話せるかを問うた。