今の世の中は、新自由主義と言われている。

今年3月、東京都足立区の公立中学校が行った性教育について、都議会議員が「不適切な指導が行われているのではないか」と指摘。都教委はこれを受けて、学習指導要領にない「性交」「避妊」「人工妊娠中絶」といった言葉を使って説明した点が 、「中学生の発達段階に合わない」 として、区教委を指導した。区教委は「都教委の意見は真摯に受けとめる」としながらも、授業に問題なかったとの認識を示した。

日本学術会議はこのほど、高校の生物で学習すべき語句約500語を選定し、公表した。学術会議は、高校の生物で扱われる用語が膨大になり、教科書の本文中に太字のゴシックなどで表される重要語句が、延べ2千語を超えている現状を憂慮。学習上の障害となっているだけでなく、「生物学が暗記を求める学問である」という誤解を生んでいると指摘した。

先日、中学校の研究会でのことである。次期学習指導要領は、中学校の場合、現行と比べて各教科等も、年間授業時数も少しも変わらない。「いったい何が大きく変わるのか」と問いかけてみた。

平成28年も残りわずかとなった。まだ年内に、次期学習指導要領の改訂に向けた中央教育審議会答申が控えており、気を抜くわけにはいかないが、ここらでひとまず、今年1年間の、注目すべき点を振り返っておきたい。今年はどんな年だったのだろうか。

東京電力福島第1原発の事故により、福島県から横浜市に自主避難していた現在中1の男子生徒が、避難時に転入した小学校でいじめに遭い、不登校になっていることが、同市教委の第三者委員会による調査報告で明らかになった(本紙電子版11月21日付、24日付、紙版11月28日付、12月1日付既報)。学校関係者が、今回のケースから学ぶべきは何だろうか。

文科省は、弁護士や校長ОBなどを学校業務改善アドバイザーに任命して、全国の教委に派遣する事業を始める(電子版で4月4日、紙面版で4月10日付既報)。

県独自の継続的な学力・学習調査と分析で授業改善を実現――。平成28年度全国学力・学習状況調査の、全問題を総合した都道府県別の結果では、小・中学校ともに、福井、秋田の両県が最上位を維持。小学校では、国語B以外で石川県が秋田県を抜いてトップとなった。沖縄県は昨年同様に成績を上げ、今年度は全科目で全国平均正答率を上回った。上位3県の教委担当者に、授業改善の継続的な取り組みなどについて尋ねた。 石川県 大学と協働で分析し学校にフィードバック   石川県教委の学校指導課は「昨年度に続いて基礎、応用の両面で高い学力が維持できていると確認した」と振り返る。「ここ数年で大きく変化させた取り組みはない」としながらも、継続してきた3点の取り組みを示す。 ベースは「なんといっても現場教員の指導力向上への熱意と子供たちの学びへの意欲と努力」。それらを支援する取り組みの1つとして、平成14年度から県独自に進めてきた県内公立小・中学校での「基礎学力調査」を挙げる。 国による学力調査の問題内容と重ならないように、小学校4、6年生と中学校3年生を対象に実施。調査結果は冊子にまとめ、県内各校に配布している。これによって学校が子供たちの基礎学力状況をしっかり把握し、それぞれの課題を踏まえた授業改善を進める状況を作っている。 2つ目は、21年度から県教委と金沢大学が協働して実施する全国学力調査の分析とフィードバック。子供たちの良い点と改善すべき点に基づく具体的な指導改善策や事例を学校現場に届けている。 県の中長期的な学力育成の方向性を示すために策定された「いしかわ学びの指針12か条」の意義も大きいという。全国学力調査の分析成果と未来の学びを見据え、▽活用力▽学びを支える基盤▽指導改善を進める体制づくり――という指導の視点を押さえた。 同県が全国学力調査で好成績を維持する大きな一要素となっている「より良い学習習慣、生活習慣の定着」も含みながら、確かな学びを支えている。 秋田県 学校・家庭・地域連携の「オール秋田」で   秋田県教委の義務教育課学力向上推進班は、「全国学力調査を受けて何か特別な対策をするという視点はない」と強調。継続的な好成績の要因は、教育の大きな目標である「人格形成」を見据え、「学校・家庭・地域の『オール秋田』で教育を推進してきたためでは」と意義を振り返る。 全国調査の学習状況では、児童生徒の学びと学校に関する質問紙への回答で、秋田の子供たちの道徳性や規範意識、家庭での学習習慣の定着、授業満足度の高さが示されている点にも注目している。 平成14年度から進めている県独自の学習・学力調査と授業改善の成果も指摘する。調査は県内小学校4年生から中学校2年生までを対象に実施。毎年4月に行い、6月には結果分析をするスピーディーな運用が特徴。各学校の授業改善にすぐに生かせる情報のフィードバックを実現している。 多くの教員が高い同僚性を持ち、学年や教科を超えた協働研究が盛んなのも、授業改善につながっていると話す。 福井県 幼児期から高卒までの教育に系統性   福井県教委義務教育課は同県独自の▽少人数指導体制▽学力調査を継続実施し、指導改善事例集を発行▽幼児期から高卒まで系統性のある指導と授業改善――などを全国学力調査の好結果に結び付く要因と考えている。 少人数指導体制は、平成16年度から検討。昨年から県内公立小学校1~4年生で35人、中学校1年生で30人の学級規模を実現し、きめ細やかな指導を展開している。県内公立小・中学校の独自学力調査は、昭和26年という早期からスタート。一昨年からは、4月に行われる国の学力調査結果をいち早く分析。5月には同県の調査と比較・分析した指導事例集を発行。各学校の状況に応じた授業改善に役立てている。 幼児期から高校卒業までの18年間を通した教育の実現では「福井型18年教育」として、子供の成長を見据えた系統性のある教育の実現を目指す。教員には、学校種で区分けしない指導の継続性を意識してもらいながら、教員の自主研修経費をサポートする取り組みに力を入れている。 同県の教員たちは、長年、教科の専門性に加え、子供の目線に立った指導向上に心を砕いている。そんな子供目線の授業改善の営みが、全国学力調査の好成績を支えていると述べる。 【関連ニュース】 ○平成28年度全国学力・学習状況調査 授業改善の視点を問う ○全国学力調査下位と平均の差縮む 小算Bで厳しい課題も

今年度の文科省重要政策を、髙橋道和初中局長にインタビューした。第2回では、相次ぐいじめをめぐる問題への対策、今年10月に予定されている文科省の組織再編の狙いについて詳しく聞いた。生涯学習政策局を総合教育政策局に組織再編するのに伴い、初中局や高等教育局も一部の部署が移管する。学校現場や教員養成にも大きな影響を与えそうだ。

いじめ対策と組織再編

■いじめ防止対策の今後の方向性
――いじめ防止対策推進法が今年9月で、ちょうど施行から5年を迎える。いじめ防止対策の今後の方向性は。
いじめ問題については、いじめ防止対策推進法に基づいて、「特別の教科 道徳」の充実や、24時間子供SOSダイヤルの設置、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置の充実のための財政支援など、これまでもさまざまな取り組みを行ってきた。 また、2016年度からは文科省の職員が地方自治体に赴いて、教委の担当者や校長に対して直接、行政説明や研修を行う取り組みも始めている。いじめ防止対策推進法の趣旨のさらなる徹底、普及に努めているところだ。 昨年3月には、基本方針の改定を行った。……

最近の学校は新任教員が多くなった。文科省の調査によれば、平成26年度の採用1年目の初任者教員は小・中・高校などで約2万8千人で、過去10年間で1.5倍に増えている。しかも、7割が学級担任になっているという(本紙6月13日掲載)。

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