文科省初等中等教育局長に7月11日付で、髙橋道和氏が就任した。いじめ・問題行動への対策など、重要課題への取り組み方針を、高橋新局長に聞いた。

 黒板の日付は7月6日のままだった――。同日深夜から早朝にかけて、西日本豪雨が岡山県倉敷市真備地区を襲った。近くを流れる小田川などの堤防が決壊し、地区の中心部が浸水。現在もインフラの復旧作業や避難生活が続いている。同市では9月3日からの授業再開に向け、被災した小・中学校について、一時的な間借り教室の確保やプレハブ校舎の建設を進めている。夏休み中、避難所となっている学校では、子供たちのための学習教室も開設された。豪雨被害から1カ月が過ぎた頃、学校再開に向けて動き出した現場を訪ねた。
■逆さまに転がるグランドピアノ
 8月10日、JR倉敷駅から車で30分ほどかけて真備地区へ向かった。山あいののどかな田園地帯が広がっていたはずが、小田川を橋で越えた瞬間、風景が一変した。道端に積み上げられた壊れた家具、窓という窓を開けた家々、車から降りると、土埃(ぼこり)とまだかすかに水の臭いがする。炎天下の中で連日、急ピッチでの復旧作業が進められ、夏休みに入り多くのボランティアも加わっていたが、元の生活を取り戻すまでにはまだ時間がかかりそうだ。  真備地区の中心部にあり、堤防決壊地点にも近かった倉敷市立箭田小学校(大﨑卓己校長、児童数287人)は、一晩で校舎の2階床上80センチ付近まで水に浸かった。同地区で最も被害の大きかった学校の一つだ。同校の大﨑校長に被災した校舎を案内してもらった。  鍵のかかった教室を開けてもらうと、部屋中にこもる湿気が身を包んだ。……

人口問題に関心を寄せる人は多いはずだ。日本創世会議議長である増田寛也氏(元岩手県知事、東京大学公共政策大学院客員教授)が2014年に公刊した『地方消滅 東京一極集中が招く人口急減』(中公新書)では、2100年には人口が現在の40%減の5千万人になると予想している。人口が減少する要因は直接には出生率であるが、なぜ出生率が低いままなのか、あるいは低下するかの要因が増田レポートの要である。

先月14日から16日にかけて北京で開催された「教育科技大会2017」。15年から始まったテクノロジーと教育に関する中国最大の国際カンファレンスで、5千人以上が参加する。今年は習熟度別学習(パーソナライズドラーニング)やAI、ゲーミフィケーションに関連したセッションが増えた。

2017年、357人の小・中・高校生が自殺で亡くなった――。小学生11人、中学生108人、高校生238人。自殺者数は日本全体では減っていても、小・中・高校生では微増している。15~19歳の死因は自殺が1位だという(厚労省調べ)。 子供の自殺について分析する福永龍繁・東京都監察医務院院長は「10代の自殺は動機が分からないことが多い」と対策の難しさを話す。本特集では、生徒の自死を経験した教員のその後や、専門機関が調査した子供の悩みの実態などをもとに、悲劇の防止に向けて考える。第1回は、教員になって3年目、29歳で女子生徒Aさん(当時17歳)の自死を経験し、20年たった今も後悔と自責の念に苦しみ続けるB元教諭に話を聞いた。
■初任校での悲劇
B元教諭は5度目の採用試験で合格。教科は英語だが、教員を志した理由は「バスケットボール部の顧問がしたくて」。教員3年目には担任していた2年生のクラスで唯一のバスケ部員が、後に自殺という悲しい決断をするAさんだった。「いつも周りを思いやる優しい子で、部活にも休まず参加してとても熱心だった」という。 3年生が引退し、5人しかいない2年生が主軸になると、試合中のAさんのミスが目立ち出した。「負けが続くと生徒の心がすさみ、楽しむ気持ちを失う。一つでも多く勝たせて、成功体験を積ませたい」と思ったB元教諭は、Aさんを厳しく指導し始めた。 教員3年目で念願のバスケ部正顧問になったB元教諭は、毎日懸命に指導に取り組み、「チームのため、生徒のため」と心を鬼にしてAさんを叱った。……

学校組織は「明日の教育の円滑な実施」と「一歩先の教育の改善」を目指す使命をもつ。「明日の教育」とは、当たり前の教育を大過なく施すこと。「一歩先の教育」とは、教育課題への対応を進めること。「新学習指導要領への準備」もこれに当たる。

大学入学共通テスト(共通テスト)の導入に向けて、2月13日から3月3日にかけて実施された英語の試行調査(プレテスト)では、全国の協力校158校で、リーディング(筆記)とリスニングが行われた。いずれの問題もマーク式で行われ、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)を参考に、A1~B1までの各段階で求められる力を問う問題で構成され、実際のコミュニケーションを想定した場面や目的、状況の設定を重視している。

9月25日に国立教育政策研究所(国研)が開催した、「全国学力・学習状況調査の調査結果を踏まえた学習指導の改善・充実に向けた説明会」では、国研がまとめた全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の報告書を基に、国語、算数・数学における解答類型の分析や、それらを踏まえた指導改善のポイントについて、詳しい解説が行われた。

障害者差別解消法(「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」)が、今年4月から施行された。一般のマスコミではあまり大きなニュースになってはいないが、大学などでは大きな関心が寄せられている(本紙4月7日付既報/電子版では3月31日付で「こんな配慮あれば授業分かりやすい 障害学生らが冊子」として既報)。だが、これは大学だけでなく、学校教育全体に大きな影響を及ぼすことになりそうだ。

教員の実感をデータで見える化したことで、頑張っている教員が評価され、エビデンスに基づいた教育施策が実現するようになる。4年間にわたる埼玉県学力調査のデータから、学力を伸ばすには「主体的・対話的で深い学び」と学級経営が関係し、いずれにおいても非認知能力が鍵となっていることが分かってきた。そして、この埼玉県学力調査をOECDも注目しているという。開発に携わった大江耕太郎文化庁文化部芸術文化課文化活動振興室長と、大根田頼尚文科省高等教育局国立大学法人支援課課長補佐へのインタビュー後半では、埼玉県学力調査の可能性に迫る。
■非認知能力が学力を伸ばしている ――埼玉の学力調査の分析で、どのような指導が学力を伸ばしていることが分かったのか。 大根田 分析を通じて、非認知能力が学力を伸ばすのに大きく貢献していることが分かってきた。非認知能力を調査対象として入れたのには二つ理由がある。どうすると学力が伸びるかを、われわれは見つけたかった。基本的な知識・技能や、それらを応用する力を伸ばすにはどうしたらいいかを調べていると、非認知能力や学びに向かう態度が伸びている子は学力が伸びているという先行研究があった。この研究で示された仮説に基づけば、学校として重要視すべき点が分かってくると考えた。 もう一つは、学校の受け止めの問題として、「学力だけを伸ばせばいい」というスタンスに対して、非常に抵抗があるだろうと思ったからだ。……

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