eye-catch_1024-768_tyumoku-kyoiku_r20180426藤川大祐千葉大学教育学部教授の視点

◇数値目標ばかりを振り回すのは控えるべき◆
本紙電子版8月3日付で報じられているように、大阪市の吉村洋文市長は、来年度以降の全国学力調査の結果を教員の業績評価や校長の経営戦略予算に反映させる考えを明らかにした。
 この考えに対して、各方面から強い批判が寄せられている。象徴的なのは、インターネットの署名サイト「change.org」における教育コーディネーターの武田緑氏らのキャンペーンだ。本紙電子版8月9日付が伝えているように、1万4千人以上(8月23日現在1万5千人以上)が市長の方針に反対し署名している。  まず、市長の考え方を確認しておこう。ともすると、学力調査の成績が高ければ教員や学校が高く評価され、成績が低ければ教員や学校が低く評価されるという印象が生じるが、さすがにそうではない。  各学校が学力調査の成績を○ポイント向上させるといった数値目標を設定し、達成できれば教員の勤勉手当や校長裁量の経営戦略予算を増額。……

松野博一文科相は6月22日、「学校における働き方改革に関する総合的な方策」の検討を中教審に諮問した(本紙電子版6月22日付、紙版7月3日付既報)。教員の長時間勤務が「看過できない深刻な状況」であるとして、教員勤務の改善などを求めた。中教審は業務改善の有効策を打ち出せるのだろうか。そのためには何が必要なのか。

小学校の次期学習指導要領の移行措置が示された。平成30・31年度の移行期間中は、「円滑な移行ができるよう内容を一部加えるなどの特例を設ける」「指導内容の移行がないなどの教科書の対応を要しない場合は、積極的に新学習指導要領による取り組みができる」とし、特に「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の、バランスのよい育成を目指す新学習指導要領の趣旨を、十分に踏まえた指導を基本方針としている。

4月はピッカピカの1年生の入学である。その日からスタートカリキュラムは始まる。スタートカリキュラムは新しい試みで、参考資料である文科省の『スタートカリキュラム スタートブック』が発行されたのが昨年1月であるから、新年度は2回目になる。

学校組織は「明日の教育の円滑な実施」と「一歩先の教育の改善」を目指す使命をもつ。「明日の教育」とは、当たり前の教育を大過なく施すこと。「一歩先の教育」とは、教育課題への対応を進めること。「新学習指導要領への準備」もこれに当たる。

スポーツ庁が策定作業を進めている「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」の骨子が、1月16日に開かれた作成検討会議で示された。ガイドラインの前文では、運動部活動の教育的な意義やスポーツ振興に果たす役割に触れつつも、少子化や教員の負担増加などから、これまでの部活動は「学校や地域によっては存続の危機にある」と指摘。部活動を持続可能なものとするために、抜本的な改革に取り組む必要があるとした。会議では、鈴木大地スポーツ庁長官も「教員の負担軽減を前提とした上で、生徒がいかにいい形で部活動ができるか、これからの部活動の在り方をどうするのかを考えていきたい」と述べた。

教員の多忙化は、いまや無視できない問題である。教職員の負担軽減のためのハンドブックを作成した横浜市教委の取り組み(本紙4月25日付、電子版4月20日付既報)など、多忙化の解消を図ろうとしている教委も少なくない。だが、その効果は十分とはいえないのが実情のようだ。それでは、どうすれば教員の多忙化を解消することができるのだろうか。

高校の生物の教科書で扱う重要語句が膨大すぎるとして、日本学術会議が重要語リストを作成し、用語を512にまで絞った。その選定作業を行った研究者の間では、「高校の生物が暗記教科になってしまっている」という懸念があったと、中野明彦東京大学教授は教育新聞の取材に語った(電子版11月2日、本紙11月13日号)。実際に高校で生物を教えている教員は、学術会議の重要語リストをどのように受け止めているのか。都内の公立・私立高校の生物教員らで作る東京都生物教育研究会に、生物教育の実際を聞いた。(藤井孝良)

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