女性507人が落命 国連人口基金が世界人口白書2015を発表

国連人口基金(UNFPA)は12月3日、「『嵐』から身を守る」と題した「世界人口白書2015」を発表した。

現在、世界中で1億人が人道支援を必要としている。そのうち2600万人が出産可能な女性と思春期の少女。

それにもかかわらず、彼女たちの健康と生存にとって重要な「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス」(性と生殖に関する健康)に関するサービスは、最も不足している。

妊産婦死亡の5分の3は、紛争や災害などで不安定な状況の国々で起きている。妊娠や出産により1日に女性507人が命を落としている。

世界の栄養不良人口の60%は、紛争下、または復興中の国々にいる。小学校に通っていない子どもの77%、乳児死亡数の70%、助産師のいない出産の64%も、この状況下だ。

また5950万人が紛争により避難を余儀なくされている。これは第2次世界大戦以降最大の数値である。難民として過ごした1人当たりの平均年数は20年。2013年から2014年にかけて、78カ国が平和的とはいえない状況になった。

2014年、国連は世界中の人道危機状況に対し、過去最多の195億ドルの支援を求めた。しかし、過去最多の75億ドルが不足したため、数百万もの人々の健康と生活を危険にさらすことになった。

2015年に国連人口基金が受け取った資金援助は、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスに関し、必要な資金の半分にも満たなかった。女性たちの健康と権利を守るのは、悪化する紛争の惨禍や自然災害を乗り切るために重要であるだけでなく、危機からの回復も促進する。

人道支援に関する需要は供給を上回っている。回復への道のりは、人権を守る公平で包括的な開発であるべきだと、白書は結論付けている。

「従来通りの人道支援に対するアプローチをしていては、甚大なニーズが発生した際、あまりに多くの人々を置き去りにしてしまう。私たちは、思春期の少女たちを助けるために、より一層良い仕事をしなければならならない。避妊の手段、性的暴力の被害を受けないなどは、基本的人権の一部である。この権利は、いかなる場合にも保障されるべきだ。『嵐』に耐えて、さらに安定した世界を作るために取り組む必要がある」と、同基金のババトゥンデ・オショティメイン事務局長は強調する。