【連載】野鳥たちの不思議 第6回 賢い習性で群れで冬を過ごす

木の上部の幹にコゲラ
木の上部の幹にコゲラ

公益財団法人日本野鳥の会・施設支援室
横浜自然観察の森担当レンジャー
尾崎理恵

 

賢い習性で群れで冬を過ごす

横浜の森の空気も朝夕ひんやりと冷たくなり、冬が近づいているのを感じる。この時季、林を歩いていると、何種類もの鳥の声が1本の木の上から聞こえてくる。

立ち止まって見上げると、違う種類の小鳥たちが集まって群れているのが見える。次に移動する際もまた一つの塊で行う。このような群れは「混群(こんぐん)」と呼ばれている。

秋から早春の繁殖期前まで、エナガの群れにシジュウカラやヤマガラなどカラ類を中心に、時にはメジロやキツツキの仲間のコゲラなどが交じる場合も多い。

秋から冬にかけて野外観察を行う際、混群に出会えたら一度に何種類もの野鳥の観察ができるので、とても得をした気分になる。

しかも移動が大勢でゆっくりなため、子どもたちにとっても観察しやすい。混群として観察できるカラの仲間などは、私たちの生活の身近に生息しており、比較的観察が容易な種類だ。

野外にでかける前に写真などを見せ、大きさや羽の色などを説明しておくと見分けやすい。

出会ったらまずは群れをなしているメンバーが誰なのかに注目だ。シジュウカラが何羽、コゲラは何羽いるのか。次にそれぞれの種類は木のどのような場所にいるのかを確かめよう。

よく見るとメジロは高いところから低い場所まで忙しく飛び回っているけれど、コゲラは幹に沿うように上部に上がっている。

ヤマガラの声はするけれど、葉の茂みの奥にいて姿はみえない。けれどエナガは高木の枝先に出たり入ったりしているなど。種類や行動の観察を行ったあとには、なぜ群れで過ごしているのかと子どもたちに問いを投げかけてほしい。

単純に考えると、1本の木に何種類もの野鳥が集まるのは、餌の取り合いにつながる。しかし、群れをなす野鳥たちの行動観察ができていれば、餌をとっている箇所が、1本の樹木でも異なっているのに気付くはずだ。

餌を採る場所が違うから、けんかにならずに集まれる。時には横取りもあろうが、それも集まっているがゆえのメリットだろう。他に集まる理由としては、多くが群れると、敵がきた際に誰かが気付き、知らせてもらえる利点もある。

一羽が狙われたとしても、そのあいだに逃げるのも可能なのだ。

混群の観察を通じて、なぜそうしているのか自分なりの意見をもたせ、披露しあってもよい。そうすることで「いきもののつながり」の意義を実感できるだろう。

こうした野鳥たちのつながりあって生きる賢い姿。小鳥たちのたくましさを感じるはずだ。

(公財)日本野鳥の会施設支援室「横浜自然観察の森」の最新情報はサイト(http://wbsj-yokohama.blog.jp/)で。

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