(学校図書館に寄せる思い)グローバル意識を育て

国連広報センター所長 根本かおる

 

仕事柄、国内各地からお招きいただき、それぞれの地域の皆さんに国連と活動について講演をする機会が多くあります。地方の大学や中学・高校を訪れて、10代半ばの思春期真っ只中の若い皆さんに話をする機会もあります。

それを利用して学校の様子を見せていただくことがあります。それぞれの学校の特徴がよく分かる場所のひとつは図書館だなと感じます。

収蔵図書をどのように分類しているか。どこにどんな分野の本を配架しているか。掲示板にどんな情報が張り出されているか。スペースがどのように使われているかなど。各学校の特徴や思い、生徒たちの興味、関心の在り方が見えて、興味深く思います。

入り口をまたいだ瞬間に、司書の方の意気込みが伝わる工夫が目に飛び込んでくる図書館。図書委員を務める生徒たちの工夫が生かされている図書館を見せていただくと、わくわくした気持ちになります。

自分の10代を振り返れば、私は活発で屋外で活動することが多い生徒でしたが、図書館はもちろん学校のなかで大好きな場所の一つでした。「知の森」である図書館は私が知らないこと、経験していないこと、想像力を刺激してくれることをたくさん与えてくれました。

ノーベル平和賞を受賞したマララさんは2013年、国連で演説し、一冊の本が世界を変えられると述べ、教育の権利の重要性を訴えました。マララさんの母国パキスタンとは異なり、日本では女の子であっても暴力で教育の権利を奪われる心配はあまりありません。いろいろな本を自由に読むことができます。

若者の活字離れがいわれ、残念に思っています。若いうちに、できる限りたくさんの本に触れ、自分の世界を広げられるといいなと思います。国際連合も図書館と無縁ではなく、古くからパートナーでした。世界の図書館を「国連寄託図書館」に指定しています。そこには国連資料を収蔵し、地域の方々に開放するとともに、最近では、国連のアウトリーチ支援に重点を置いて活動しています。現在、世界の136カ国、362の図書館が「国連寄託図書館」に認定されています。日本では、国連創設から間もないうちに国会図書館が最初に認定されました。秋田の国際教養大学など、国内の14の図書館が指定を受けています。

国連の広報に携わる一人として、学校図書館で国連や世界の課題を紹介する本などが配架され、若い生徒の皆さんに国連とその活動を紹介していただければと願います。図書館で良い出会いを得て、生徒たちがグローバルな諸課題について理解を深めたり、将来の職業として、国連職員を目指したりすれば、これ以上の喜びはありません。

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