平成28年度 年頭所感 (9)

第3期中期目標期間を迎え
一般社団法人国立大学協会会長 里見進

新年明けましておめでとうございます。
昨年は、大村智教授、梶田隆章教授のノーベル賞受賞という本協会においても喜ばしいニュースがありました。これまでも、国立大学は、わが国の全てのノーベル賞受賞者を輩出してきたように、継続してきた教育・研究の成果をはっきりと世界に示してきました。
近年は、政府の成長戦略としての産学連携による新たな産業の創出、地方創生の推進、グローバル化に対応した教育の取り組みなど、大学に対する期待がさらに高まっている中で、本年は、いよいよ国立大学法人の第3期中期目標期間を迎えることになります。
各大学では、それぞれの強み、特色を踏まえ、さらなる改革の方針のもと、組織再編などの機能強化と特に重視する取り組みなどについて、明確な目標と計画を示しました。
国立大学協会でも、昨年9月に「国立大学の将来ビジョンに関するアクションプラン」を公表し、大学の主体的な取り組みの方向性と具体的な工程を明確にしました。各国立大学は、その方針に基づき、自主性・自律性を高めつつ、これからもわが国の「知」と「成長」を支えてまいります。

学ぶ環境の整備で考える力を
一般社団法人日本私立大学連盟会長 清家篤

日本はいま世界に類をみない高齢化を経験しつつあります。同時にインターネットなど情報通信技術も飛躍的に進歩しています。さらにグローバルな市場競争はますます激化しています。
こうした大きな変化はこれからもずっと続くでしょう。そこでは新しい状況を自ら理解し、その理解に基づいて問題を解決する力、つまり自分の頭で考える力が求められます。
自分の頭で考えるということとは、考えるべき問題を見つけ、その問題を論理的に説明し、その説明が正しいかどうかを客観的に確認し、正しいならばそれに基づいて問題を解決するということです。これは学問の作法にほかなりません。変化の時代に何よりも大切な自分の頭で考える力は、しっかりと学問をすることによって身に付くものなのです。
その力は、幅広く学問を学ぶ、奥深く研究する、そして存分に課外活動にも打ち込むことで磨かれます。私たちは学生たちのために、そうした学びの環境をしっかりと整備していかなければならないと改めてその思いを強くしています。

私学の教育が活気づく年に
日本私立大学協会会長 大沼淳

謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
昨年は自民党政権の主要政策のひとつとして地方創生が叫ばれ、大学を始め教育関係者の間で関心が高まりました。高等教育機関でも、私立大学、国立大学、公立大学のそれぞれがさまざまな問題を抱えていますが、今年は何らかの形で対策を具現化させていくことになるでしょう。また高大接続や職業教育の在り方等について、中央教育審議会等で議論され、その施策が実を結ぶことを今年は期待したいものです。
これらの問題の多くには、戦後に切り替わった教育制度が根底にあります。したがって、今日の教育制度を既存の枠組の中で考えるのではなく、時代の流れや経済状況、人口動態などに基づいて、将来を見据えてきちんと議論する必要があるのです。そうすることによって、例えば大学の配置の問題、入試制度の在り方、公立大学の在り方、私学助成の在り方など、多くの課題が見えてくるのではないかと思います。
新たな高等教育の在るべき姿を構築するためのパラダイムシフトが求められています。わが国の発展の原動力となるべく、高等教育、とりわけ私学の教育が活気づく年となることを期待します。

教員一人ひとりの資質能力向上
日本教育大学協会会長 出口利定

謹んで新年のごあいさつを申し上げます。
今日の学校教育が抱える課題は多様化・複雑化しており、学校に対する期待・ニーズも大きく質的に変化しています。これらに対応するためには、学校は自ら特色ある教育課程、効果的な学習指導・生徒指導の方法を開発し、それらを行う校内組織の整備(チーム学校、コミュニティ・スクール)が強く求められています。そしてなによりも重要なのは、学校教育を担う教員一人ひとりの資質能力の向上です。
ICTの積極的な活用、道徳教育、外国語教育、特別支援教育の充実、アクティブ・ラーニングの視点での授業改善等に対応した教員養成への転換、学び続ける教員を支えるキャリアシステムの構築等は次世代育成を担う教員の養成・研修に課せられた必須課題です。
これらの課題達成のために、国立大学教員養成系大学・学部は高度な専門性を備えた力量ある教員の養成、側面から学校・教員を支援する人材の養成に取り組み、一人ひとりの子どもが夢を抱き、豊かな生活がおくれる学校づくりに取り組んでいきます。

将来の担い手をいかに育てるか
全国私立大学教職課程研究連絡協議会会長 西村弘行

わが国は、少子化、就労人口の減少による労働生産性の低迷、さらにグローバル化・多極化の社会環境の中で、将来の担い手となる子どもをいかに育てるかが、学校教育に強く求められている。これまでも中教審答申で、「学校教育を担う教員の資質能力の向上」以外に高等学校教育・大学教育・大学入学者選抜の一体的改革が示された。中でも、時代にふさわしい高大接続を実現するために「大学入学希望者学力評価テスト」で「思考力」「判断力」「表現力」などを含む「確かな学力」に基づく入試選抜を文科省は求めている。
しかしながら、教員養成を積極的に推進している大学においては、入学時の基礎学力が、教職課程の認定と教員採用に大きく影響を及ぼすため、アドミッションポリシーを徹底的に見直さねばならなくなっている。さらに、中教審が求めている個別選抜を実施するなら、大学側に大きな負担がかかるため、国は、私立大学の教育予算を抜本的に見直すよう要望する。

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