平成28年度 年頭所感 (10)

今から10年以上も前に、西ドイツの首相を務めたヘルムート・シュミット氏と食事をしたことがあります。首相を辞めた後で、当時は「ディー・ツァイト」の共同編集者を務めており、幅の広い論評が国際社会でも高く評価される言論人でした。食事の話題はいくつかありましたが、日本の国家公務員や大会社の社員がなぜ博士の学位をもっていないのかと尋ねられました。その質問に対して、就職後に教育する余地を残しておきたいから、学士を取ったばかりの新卒者を採用するシステムになっているためではないかと答えたように記憶しています。その後も言い訳がましい答えをいくつか並びたてたものの、シュミット氏は結局納得がいかないままに別の話題に移っていかれました。

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