【連載】食育はこころ育 第44回 正月には不思議がいっぱい

(株)トータルフード代表取締役
亜細亜大学講師 小倉朋子

 

1年は早いものですね。「ちょっと待った!」といくら願っても時間は全然耳をかしてはくれません。とても冷ややかです!

お正月もあっという間に過ぎます。「なぜ、門松を飾るの?」「なぜ小魚なのに田作りと言うの?」「お節のお重は四段が正式。なぜ?」など正月には不思議がいっぱい。

そもそも正月とはその年の歳神様をお迎えする時です。正月に行う行事や食べもの、関わるほとんどが神様とつながっています。

「歳神様、ここですよ~。ご馳走作って待っていますので、わが家にぜひいらしてください」と目印として玄関前に門松を飾ります。

ご馳走のおせちは、全ての料理に意味をもちます。「マメに生きる黒豆」「子沢山を願う数の子」「先を見通すレンコン」など。中でも私が「日本は凄いなあ」と感心するのが、地味に思われるお煮しめの一つひとつの材料にまで意味があることです。

人参、レンコン、ゴボウ…。しっかり根をはって今年も家族ともに無事に過ごせるよう、願いを込めます。そして必ず、コンニャクと昆布が入ります。昆布は喜ぶ意味がありますが、ではコンニャクはなぜ入っているのでしょう?

加えて、両者は切り方が決まっていて、単に入っていれば良いわけではないのです。短冊に切ってから結びを作ります。おそらく「縁を結ぶ」「協力し合う」などの意味があるのでしょう。

お煮しめは多品種でひとつの味を作ります。私が調べた限り、コンニャクの意味は探せなかったので、私の私見ですが、多くの出汁が染み込むコンニャクは、皆をまとめる役目をしているのではないかなあと思うのです。

切り方にまで願いを込める日本人のきめ細やかさは世界でも希有。子どもたちにクイズ形式で、お正月特集をしても良いですね。

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