1月24日まで絵本原画展 児童文学作家のこやま峰子さん

『たからものがいっぱい!』は、キューバの子どもたちが豊かな色彩で家族への愛情や平和への思いを描いた絵本。その原画展が、1月24日まで、東京都新宿区の早稲田大学近く、ひとえブックストアで開かれている。「たからもの」をテーマに描いた絵は、子どもたちが遊ぶ学校の校庭や、家族が笑顔で働く畑、自分たちがまたがるバナナの飛行船など。力強く、明るい。

子どもたちの絵に言葉を添えて絵本を監修した児童文学作家のこやま峰子さんは「キューバは子どもや高齢者にやさしい国」と魅力を語る。

こやまさんが作品を生み出してきた原動力は、平和への強い思い。命の重さを訴える創作を続けてきた。

昨年刊行した『いのりの石 ヒロシマ・平和へのいのり』(フレーベル館刊)は、現在、第21回日本絵本賞の最終候補になっている。爆心地から200メートルほどで被爆した広島電鉄市内電車の線路敷石が払い下げられるのを機に、市民が観音像を彫った。その「いのりの石」がペルー、アイスランド、ベルギーなど世界のいろいろな国に渡って平和の掛け橋となっているのを絵本にした。

また07年に刊行されたイスラエルとパレスチナの少女が、日本で共に時間を過ごすうちに友情を育む事実を下敷きにした絵本『平和の種』は、関西で10年以上続く平和出前授業のテキストになっている。

この授業は、日本で初めてノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士夫人の故スミさんが始めた世界連邦運動協会の京都・大阪府支部が主催し、毎年4校をめどに行っている。今年度はこれまで2校で実施。2月8日には大阪府寝屋川市の大阪聖母学院小学校で行われる。

同支部の松美佐子事務局長は、「あらかじめ『平和の種』を渡し、家族と一緒に読んできてもらう。当日は、まず、戦争を知らない子どもたちに戦禍や被爆の状況を伝える。その後、世界では今もなお、紛争が絶えない事実を話す。また本の感想をグループで話し合ってもらい、まとめに作文やポスターを作成する」と、子どもたちに平和への思いが芽生える授業を目ざしている。

こやまさんは、「1軒の家を建てるのは大変だけれど、爆撃などで壊すのは一瞬。日本は唯一の被爆国なのだから、世界に二度と原爆を使ってはいけないと発言し続ける義務がある」と強調する。

1月24日には、原画展示場でおはなし会を行うなど、今年、傘寿ながら力強くメッセージを発信しつづけている。

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