27年間の国連人生を語る 社会統計に関わる大崎敬子次長

 

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国連本部経済社会局統計部の大崎敬子次長は2月10日、日本の国連加盟60周年記念シリーズ企画「国連と日本人」の第2回スピーカーとして、東京都千代田区の日本記者クラブで会見した。統計部の仕事内容や国連で女性が働くやりがいなどについて、「国連は女性が働きやすい職場」と語った。

「国連は、女性である点が有利に働いても、不利な面はなかった」と振り返る。「能力ある女性を優遇する方針がある。結婚や子育てを理由に辞める人はなく、家庭との両立にも、組織としての配慮があった。27年間の国連人生で、仕事を始めたころには女性は25%程度だった。それがいまでは60%から70%。先輩にも女性が多く、働きやすかった」と評価した。

国連職員になろうと思ったのは大学生のころ。20歳で初めての海外、スリランカでの、2週間のホームステイがきっかけだった。高度成長期の、ものがあふれる日本を初めて離れ、「ものはないが、楽しそうな」世界を知った。それは、「よくも悪くもショッキングな体験」だった。その体験から、途上国の開発に関わりたいと強く思うようになった。

大学卒業後に、(財)国際開発センターでNGOの仕事をするうちに、キャリアアップの必要性を感じて、米国ジョージタウン大学に留学した。人口学で修士号を取得し、国連職員採用試験に合格した。

「はじめは2、3年の勤務かなと思っていた。昨年、ミャンマーの国勢調査で技術支援をした。同国は約30年間、国勢調査をしてこなかったので、質問項目からデータ分析まで、具体的にアドバイスした。こうした仕事は直接的な支援の実感があり、やりがいを感じる」

統計部は、米国ニューヨーク市の国連本部にある。職員数は120人ほどで、日本人は1人。現在最も大きな仕事は、昨年に終了したミレニアム開発目標の後に設定された「持続可能な開発目標」(SDGs)の指標のガイドライン作成。

SDGsは、2030年までに世界の貧困に終止符を打ち、持続可能な未来を追求するするための17の開発目標、169項目のターゲットで構成されている。昨年9月に193の加盟国による全会一致で採択された。

この169項目の指標ターゲットを具体的に定めるために、28カ国の統計専門家が会合を開いて話し合い、229の指標を設定した。現在、この膨大な量のデータの扱いについてガイドラインを作っている。

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