運動能力がアップする「声の魔法」①

声の魔法のひみつ
藤野良孝 著 くもん出版 2800円+税

重たいものを持ち上げるときに、なんで思わず「ヨイショ!」って声が出てしまうんだろう? なんでそのような擬態語・擬声語(オノマトペ)が発せられるんだろう? それにはちゃんとした理屈がある。

それを「スポーツオノマトペ」と位置付けて、オノマトペ研究家で朝日大学准教授の著者が、小学校中学年以上向けにやさしく解説してくれる。その働きや運動場面ごとに、楽しく分かりやすいイラストが示されている上に、学校の協力でDVDが付いているので、「うん、なるほど」と理解が深まる。

複雑な体の動きを分かりやすく相手に伝えるとき、理想的な運動のイメージをつくるとき、大きな力を一気に出すとき、スポーツオノマトペの効果がそこにある。

跳び箱が苦手なら、跳ぶリズムがとりやすい魔法の声はなに? 競技の前に緊張をほぐすその声は? この本を読んだら、実際にやってみよう。効果のほどが実感できるだろう。

あの運慶・快慶の阿形像・吽形像も、スポーツオノマトペを実践していると見れば、歴史の勉強が体育とつながる。

全3巻シリーズで、この第1巻に続き、第2巻は「体育が楽しくなる」、第3巻は「スポーツが得意になる」。体育授業のさまざまな場面で、あるいは学校生活のいろいろなシーンで、オノマトペがきっと、力を与えてくれる。「こんなときに効く魔法の言葉があるよ。図書館に行って調べてごらん」と、児童自らが調べ学習をするのにも適している。調べたらみんなに発表してみようと、体育を言語活動につなげるきっかけにもなる。

関連記事