【連載】食育はこころ育 第46回 現代人はわざわざ得ている

㈱トータルフード代表取締役
亜細亜大学講師 小倉朋子

 

「健康」というキーワードには、さまざまな切り口や見解があります。ある視点では「取り過ぎに注意」「太る」などとされる食品食材が、「ダイエットに良い」「もっと摂取しましょう」といわれます。

例えば、近年のトレンド食品のひとつに「油」があります。昨年はココナッツオイルがダイエットに良いとされ、女性を中心にはやりました。コーヒーやスイーツにかけるなど、用途が広がって、一時期はスーパーの棚に品切れが続きました。

今年は、オメガ3が今のところ注目株です。アマニ、エゴマ、チアシードなどの植物油です。効能は、脳を活性、血栓防止、コレステロールを下げる、新陳代謝アップ、アレルギー抑制、炎症抑制などが期待されています。体だけでなく、脳に効能をもつことが特徴だと思います。暗算や記憶の調査でも、一定期間摂取後の効果的な結果が出ており、うつ病改善の説もあるのです。

必須脂肪酸という生命維持に必要でありながら、体内では生成されない脂肪のひとつですので、食品から取り入れるしかないのですが、近年日本人は、食生活の変化とともに、オメガ3の摂取が減少しています。

食材では青魚(サバ、アジ、イワシなど)や緑黄色野菜、クルミなどに多く、毎日食べる人は少ないのです。料理として日常の食卓でおいしく食べていれば、わざわざそれなりの金額を出して油を購入しなくても良いのです。

健康ブームと言われ続け、従来、食卓で「自然」に得られたものを、現代の私たちは「わざわざ」得ている感が否めません。

子どもたちの脳にもよく、さらに楽しい食卓での学びもあって、心身健康になるのですから、実にもったいないことを現代人はしてしまっているのだなあと思うのです。

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