教育時事刻々【2月中旬~3月中旬ふりかえり】

本紙トピックス

◇2月18日付/川崎中1殺害リーダー格少年に不定期刑=川崎市の多摩川河川敷で昨年2月、中学校1年生の上村遼太さん(当時13)が刺殺された事件で、殺人と傷害の罪に問われたリーダー格の少年(19、事件当時18)の裁判員裁判の判決公判が2月10日、横浜地裁(近藤宏子裁判長)で開かれた。被告に懲役9年以上13年以下の不定期刑が言い渡された。/馳文科相が組体操に重大な関心=小・中・高校の運動会や体育祭なで行われる組体操中にけがをする児童生生徒が、平成23年度以降、4年連続で8千人以上に上ることが分かった。この中には、頭蓋骨や脊椎を骨折したり、内臓を損傷したりと重傷を負うケースもあった。こうした事態を受けて馳浩文科相は、運動会での組体操の中止について前向きな考えを示している。

◇2月22日付/スマートスクールに向け初会合=文科省は2月15日、第三期教育振興基本計画の策定を視野に入れた「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会」の初会合を開いた。ICTを活用した教育や校務システムを導入した「スマートスクール(仮称)」について、具体的な取り組みに向けた議論を行う。4月中には「教育情報化加速プラン(仮称)」を策定する見通しだ。/石巻の児童生徒6割超が「復興に関わりたい」=「自分たちのまちの復興に関わりたい」「私たちの案をもっと活用すべきだと思う」――。(公社)セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(SCJ)と宮城県石巻市教委の共同調査によれば、石巻市の6割を超える児童生徒が、自分のまちの復興に関わりたい、9割以上が災害への備えが大切と回答していた。

◇2月29日付/いじめ防止法改正に向け要望書=いじめを受けて自殺した滋賀県大津市立中学校2年生男子生徒(当時13)の遺族(父親、50)と同市の越直美市長が2月17日、「いじめ防止対策推進法」を改正する際に検討の参考にしてほしいと、馳浩文科相に要望書を手渡した。学校で定期実施されるアンケート結果を家庭や教委に公表、同市が生徒自殺事案をきっかけに設けた「いじめ対策担当教員」の全国配置、アンケートの公開基準を定めて調査の公平性・透明性を図るなどを求めた。/大学入試に新ルール=大学入試新テスト問題を例示した高大接続システム改革会議は2月24日、AOや推薦、一般の入試区分を見直す考えを明らかにした。学力3要素を公平に測るために、各試験での偏りをなくすのがねらい。平成29年度初頭に新たな区分について予告通知を発出する見込み。/経験年数によらない育成指標を=中教審初等中等教育分科会教員養成部会は2月18日、第92回会議を都内で開いた。これからの学校教育を担う教員の在り方について「経験年数にこだわらないで育成を」などの意見が出た。中教審3答申(教員の資質能力、チーム学校、学校・地域連携)実現に向けては委員らが推進と予算の問題に言及した。

◇3月3日付/奨学金制度で延滞金あるのを知らない=「延滞金が課される」「教員返済免除制度は廃止されている」――。こうした内容を知らずに日本学生支援機構から奨学金を借りている人が多くいることが、労働者福祉中央協議会の調査で分かった。奨学金の返済は結婚に影響があると答えたのは約3割に上っていた。/いじめで摘発2年連続減=全国の警察が昨年に摘発・補導した少年のうち、いじめによるのは200件で、2年連続減であると2月25日、警察庁調査で分かった。校内・対教師暴力も同様の傾向。いじめの内訳は、傷害74件、暴行56件、暴力行為と恐喝が各17件。インターネットによるいじめは13件で前年比20件減。このなかには、無料通話アプリなどで女子生徒の裸を送る児童売春・児童ポルノ法違反が7件あった。いじめ事件で摘発・補導された児童生徒は331人で前年比125人減。中学生が最多で206人、高校生77人、小学生48人。

◇3月7日付/つなぐのに3分かかったら使わない=文科省は「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会」の第2回会合を、都内で開いた。関係者からのヒアリングと、論点整理素案に関する意見の整理などを実施。学校のICT環境について、「準備に3分かかったら、教員は授業でICT機器を使わない。何人に1台といった目標ではなく、『そこに行けばすぐにPCが使える』教室をいくつ用意するかという考え方もしてほしい」との視点が示された。
◇3月10日付/高校新科目「数理探究」で論議=中教審初等中等教育分科会教育課程部会は3月1日、「高等学校の数学・理科にわたる探究的科目の在り方に関する特別チーム」の第3回会合を、文科省で開いた。主な議題は「数理探究(仮称)」の基本的な構造について。この科目に関して、「可能ならば全生徒を履修のターゲットにしてほしい」などの提案があった。/身近な取り組みで防災教育=近藤誠司関西大学准教授が「ぼうさいCREDO(約束)」の勧めで提言。「災害のネガティブな側面を直視するのは大事。ただ、そればかりでは閉塞してしまう。ポジティブな芽をみんなで育てるとき、それが力になる。だから、児童から前向きな言葉を集めた。災害が起きたとき、自分ができそうなことを約束する。5年生は「妹のめんどうをみます」「泣いた子をおちつかせる!」などと約束し、それを書いた。これを学校で、家庭で、地域で『見せ合いっこ』して『ポジティブ・スパイラル』を巻き起こす。それをローカルメディアを活用して広めよう」

◇3月17日付/東日本大震災支援5年間の軌跡で学びと提言まとめる=東日本大震災から丸5年となる3月11日、(公社)セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが「東日本大震災緊急・復興支援5年間の軌跡~子どものために 子どもとともに」と題する報告書を発表した。発災直後からの支援活動から得た学びとして、「当事者の子ども参加が重要」などとする今後の災害対策への提言などがまとめられている。/広島中3自殺で報告書=広島県府中町立府中緑ケ丘中学校3年の男子生徒(当時15歳)が、誤った万引記録に基づく進路指導後に自殺した問題で、同校は調査報告書をまとめた。このほど公表されたこの報告書によると、万引があった際に行われる面談などについて、内規に定められた手順を怠っていたなど、学校の対応に問題があったとしている。教育指導体制の不備も指摘。生徒は「どうせ言っても先生は聞いてくれない」と保護者に打ち明けていた。これに対して報告書では「本来あるべき教育指導体制になっていない」と分析している。

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