原因遺伝子突き止める 難治性てんかんなどで

原因不明の重度の精神・運動発達の遅れや難治性てんかんに、診断と治療の道筋が切り開かれる可能性がでてきた。

重度の精神・運動発達の遅れと難治性てんかんを呈する患者家族、3家系5人を解析した結果、共通の遺伝子PIGGの変異が病気の原因である実態が明らかになった。大阪大学微生物病研究所の村上良子准教授らと、スイス・ジュネーブ大学、英国リーズ大学、山形大学、横浜市立大学の研究グループによる共同研究で判明した。

PIGGは、GPIアンカーという糖脂質の合成過程で働く酵素の1つ。この共同研究で、PIGGが脳神経系の発達に極めて重要であるのが分かった。

難治性てんかんや重度の精神・運動発達遅滞では、いまだに原因が不明なものが多い。その原因の1つとしてPIGG遺伝子の変異が発見されたわけで、これまで診断がついていなかった疾患がPIGG欠損症と診断される可能性がある。

またこの研究成果によって、多くの医療関係者や患者とその家族に、先天性GPI欠損症(IGD)という疾患を知って検査を受けてもらうきっかけになるのが期待される。

もしも全身の細胞でGPIアンカーが合成されないと、150種もの重要なタンパク質が欠損し、生存できなくなる。それほど重要なので「アンカー」と呼ばれる。

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