児童生徒の読書冊数20年間で倍増 学校図書館蔵書も増加傾向に

(公社)全国学校図書館協議会(全国SLA)は、同協議会と(株)毎日新聞社が共同で実施した「第61回学校読書調査」、同協議会が実施した「2015年学校図書館調査」の結果をまとめた。両調査は、ともに平成27年6月実施。小・中学生は、この20年間で読書冊数が倍増し、定番が読み継がれていると分かった。蔵書冊数も増加し、小学校で平均1万冊を超えた。

5月1カ月間の平均読書冊数は、小学生11.2冊、中学生4.0冊、高校生1.5冊。小・中学生は昨年の数値と大差ないが、長い期間でみると冊数が増えてきている。

読んだ本が5冊以内だったのは、小学生42.7%、中学生83.3%、高校生94.9%。この差は、本のページ数や、生活の中での優先順位の差と分析された。

不読者の割合は、小学生4.8%、中学生13.4%、高校生51.9%。小・中学生は昨年並み。高校生は男女ともに50%を超えた。

「朝の読書」など、学校の一斉読書への取り組みが進んではいるものの、時間を確保するだけで児童生徒の読書習慣が定着するとは限らない。読書の面白さを感じられるような指導が必要との見解を示した。

読んだ本として、小学生男子は『日本の歴史』『三国志』『ハリー・ポッター』、女子は『赤毛のアン』『不思議の国のアリス』『若草物語』など、定番の作品が多く挙がった。伝記では、男子は『織田信長』『徳川家康』『坂本竜馬』、女子は『ヘレン・ケラー』『ナイチンゲール』など、同性の被伝者が好まれている。

中学生は、ライトノベルやゲーム・マンガのノベライズなど、シリーズものを好んでいる。高校生は、メディアで紹介された本や、映画の原作小説などが多くの読者を得ている。

学校図書館の設置率は、全校種100%。学校教育の中核として、「読書センター機能」「学習センター機能」「情報センター機能」の充実が期待される。

広さの平均は、小学校152.8平方メートル、中学校151.7平方メートル、高校301.0平方メートル。わずかに広くなってきている。新設や校舎の建て替えの際にゆとりのある設計をしたり、空き教室を活用したりしていると推測された。

1校あたりの平均蔵書冊数は、小学校1万252冊(前年比651冊増)、中学校1万1929冊(同55冊増)、高校2万5347冊(同177冊減)。小学校で初めて1万冊を超えた。

1校あたりの平均図書廃棄冊数は、小学校261.5冊(同13.5冊増)、中学校387.4冊(同80.9冊増)、高校441.7冊(同44.9冊増)。廃棄冊数が多いのは、学校図書館が動いている、活用されている証とされた。

司書教諭有資格者がいる学校の割合と1校あたりのその人数は、小学校が89.1%で2.8人。中学校は88.5%で2.0人。高校は92.3%で2.8人。有資格者の配置率も人数も増加してきている。

司書教諭が発令された学校の割合は、小学校70.7%、中学校60.5%、高校80.8%。同協議会は、この数値が100%になるのを望んでいる。

「読書調査」は、全国の29小学校(4~6年生2706人)、45中学校(1~3年生4328人)、47高校(1~3年生5162人)が対象。小・中学校は大都市・中都市・小都市・郡部に分けて、高校は全日制課程で学科ごとに、サンプル校を抽出した。

「図書館調査」は、全国の小・中・高校から都道府県ごとに3%を無作為抽出。276小学校、157中学校、104高校が回答した。

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