教育時事刻々【3月中旬~4月中旬ふりかえり】

本紙トピックス

◇3月17日付/評価に振り回されない理科授業を=中教審初等中等教育分科会教育課程部会は3月9日、理科ワーキンググループの第5回会合を、文科省で開いた。委員からは「アクティブ・ラーニング(AL)は、型にとらわれず、いかに頭脳をフル回転させるかが大事」「評価に振り回されてはいけない」「社会科と理科では『合意形成』の意味が違う」などの意見が述べられた。/不登校理解・支援シート完成=文科省は3月11日、不登校に関する調査研究協力者会議の第13回会合を開催。議論を重ねてきた「児童生徒理解・教育支援シートの作成と活用について(案)」が、微調整の必要はあるとしながらも、今会合で完成となった。同シートは、不登校児童生徒一人ひとりの状況を適切に把握するためのもの。学級担任、養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどを中心に、学校が組織的に作成する。シートは、教諭が1人で抱え込むことなく、切れ目のない組織的・計画的な対応をしていくのを目的に作成。これを活用し、不登校児童生徒の支援に必要な情報を集約して、それに基づく支援計画を学校内や関係機関と共有する。

◇3月21日付/スマホの安全でシンポ=(一社)日本スマートフォンセキュリティ協会(JSSEC)は3月12日、学生団体Re:inc(リンク)と、「スマートフォンセキュリティシンポジウム」を都内で共催した。基調講演では、藤川大祐千葉大学教育学部副学部長が、スマホの長時間使用やネットいじめなどを「平成25年問題」と総称し、その詳細を語った。同年には、スマホの保有率が高まる・長時間使用・ネットいじめが増加――の3つが特徴的で、これを「平成25年問題」とした。同副学部長は「これらの問題は、家庭・学校・地域が連携して指導しなければ改善が難しい」と語った。/つらい子ほど声を上げられない・奨学金にも学力格差=NPO法人キッズドアは3月14、15の両日、子どもの貧困シンポジウム「Kids’ Day JAPAN」を、都内で開催した。2日目には「あなたができることを探しにきませんか?~みんなで支える地域の子ども」をテーマに、子どもや保護者を支援する団体が講演。「つらい子ほど声を上げられない」「貧困と学力格差の問題が明らかになっているのに、奨学金制度は高学力者に有利にできている」など、さまざまな問題が語られた。
◇3月28日付/「悲しみを生かして」と遺族=文科省の学校事故対応に関する調査研究有識者会議は3月22日、学校事故に関する指針をまとめた。校内で事故が発生した場合に学校は、3日以内に聴き取り調査を実施するよう求めた。さらに学校と遺族らの調整などを行う新たな人材を設置し、活用するよう明示した。同省は、年度内に全国の教委を通じて指針を学校に通知する。学校で起きた事件の遺族である委員からは、「遺族の悲しみを生かしてほしい」と訴えた。/「私が校長ならしない」と文科相=愛媛県立の全59高校(中等教育学校、特別支援学校を含む)が新年度から、生徒の学校外での政治活動について「届け出制」を校則で義務付けた。これについて馳浩文科相は3月18日、国会内で記者団の質問に答え、届け出制導入について「生徒が萎縮する。私が校長ならしない」と語った。

◇3月31日付/広島中3自殺事案で中間まとめ=広島県府中町立府中緑ケ丘中学校3年生の男子生徒(当時15歳)が、誤った万引記録に基づく進路指導を受けた後に自殺した問題について、文科省のタスクフォース(TF)は3月25日、新学期を直前にして早急な対応に向けた方向性を示した中間まとめを公表した。進路指導の情報共有・管理方法に関しての課題や「推薦・専願基準」の見直しなどが盛り込まれた。また同日、生徒指導などの在り方について各中学校で確認するよう、全国の教委に通知を発出した。/組体操は安全確保なければ見送りを=組体操の練習中に年間8千件もの事故が起こっている問題を受けて、スポーツ庁は3月25日、安全性が確保できなければ実施を見送るよう、全国の教委に通知した。同庁の分析によれば、昨年度までの46年間で9人が死亡。馳浩文科相は「現場で判断してもらいたい」と述べた。

◇4月4日付/中学生自殺で相模原市児相に厚労・文科副大臣=両親から虐待を受けて相模原市児相に通所していた男子中学生が自殺した問題で、渡嘉敷奈緒美厚労副大臣と義家弘介文科副大臣が3月28日、同児相を訪れた(写真)。厚労省に報告書を求めた渡嘉敷副大臣は「問題点を明らかに」とし、義家副大臣は「情報共有のための新しい仕組みを」と話した。/いじめの認知で通知=文科省初中局児童生徒課は3月25日、「いじめの正確な認知に向けた教職員間での共通理解の形成及び新年度に向けた取組について」を、都道府県教委および指定都市教委の指導事務主管部課長などに宛てて3月18日付で通知したと公表した。教職員に対し、いじめの正確な認知に関して教職員間で共通理解を図り、春休み中に、各校のいじめ防止基本方針を検証するなど、新年度に向けた取り組みも求めた。通知と公表の間に1週間の開きがあるのは、同課の資料配付が遅れたため。

◇4月7日付/主権者教育で中間まとめ=文科省の主権者教育の推進に関する検討チームは3月31日、高校生や大学生などに向けた推進方策を含む中間まとめを公表した。幼児期からの社会参画を促すような取り組みも求めた。今年5月には、高校での主権者教育の指導方法に関する調査をまとめる見通し。/授業・指導力が最重要=全連小(会長・大橋明東京都渋谷区立加計塚小学校長)は、小学校教育の充実・発展や、その経営に資する「平成27年度研究紀要」をまとめた。教育に関する諸課題について、経年あるいは新規に調査研究を実施。教員の最重要課題は授業力・指導力の向上であり、加配教員の配置によって、研修を充実させたり、若手が校外研修に出向きやすい環境を整備したりする必要があると分かった。/こんな配慮あれば授業分かりやすい=立命館大学の障害学生と彼らの修学を支援している学生サポートスタッフたちが、教職員向けに、啓発冊子「誰もが学びやすい授業を!」(B5判、45ページ)を制作。3月31日付で発行された。内容は、障害学生の学びをめぐる教職員、障害のない学生、障害学生へのインタビュー、研究者による合理的配慮などに関する勉強会の概要、障害学生による座談会、「今日からできる配慮一覧」――など。教職員を主な対象とし、障害のある学生と支援する学生への理解を促し、より良い授業を展開してもらうのがねらい。

◇4月11日付/性同一性障害対応で教員用手引=文科省は4月1日、心と体の性が一致しない性同一性障害の児童生徒の対応について、教員向け手引を発行した。同日付で同省サイトに掲載するほか、全国の都道府県・政令指定都市などに向けて活用するよう通知を発出した。

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