教育時事刻々【4月中旬~5月中旬ふりかえり】

本紙トピックス

4月18日付

全国で義務教育学校22校スタート=文科省が明らかにした「小中一貫の制度化に伴う導入意識調査」によれば、今年度から制度化された公立義務教育学校の設置予定(今年2月1日現在)が136校であるのが分かった。このうち22校が4月にスタートした。同省は好事例などを収載したガイドラインを今夏までに作成し、全国に周知していく方針。

よい授業4因子が学力向上と関係=さいたま市教委は「子どもが望む『よい授業』4因子」の調査分析を推進。4因子が学力向上に一定の関係性があるとの結果を示した。今年度は4因子を押さえた実践をアドバイスする冊子を開発し、子どもへのアンケート結果から、授業を教員自身が分析するシステムの活用を進める。4因子は、東京大学の市川伸一研究室の協力を得ながら、統計的手法で見いだしたもの。「授業マネジメント」「基礎アップ」「授業スキル」「アクティブ・ラーニング」で構成される。

4月21日付

小2・35人学級法制化に向け検討=財務省の提案で、文科省が小学校2年生での35人学級の法制化に向けて検討しているのが分かった。義務標準法を改正し、これまでの加配定数を基礎定数に盛り込んで教員定数を減らしたいとの財務省の思惑が見え隠れする。

中・低位所得の教育格差で日本は37カ国中27位=学力格差は所得と関連しているといわれる。それでは、所得階層の低位と中位を比較して教育格差を見たとき、両者の間は、どれほどかけ離れているのだろうか。ユニセフ・イノチェンティ研究所の分析によれば、その隔たりから見た日本の教育格差は37国中27位で、下位に位置していた。

4月25日付

教委の指示で過度に過去問練習=「成績を上げるために、全国学力調査の過去問を児童生徒に過度に解かせている。教委からの指示だ」と4月20日、現役教員から文科省に告発があった。これを受けて馳浩文科相は教育再生実行会議後の会見で、「本末転倒である」と憤った。さらに、全国の教員に向けて、「こうした行為を指示している教委があったら、文科省に報告してほしい」と呼び掛けた。

外国籍の子のため教員拡充を=文科省の「学校における外国人児童生徒等に対する教育支援に関する有識者会議」(座長・佐藤群衛目白大学学長)は4月18日、日本語指導といった、担任教員の拡充や教員養成学部の教育課程や教員研修のモデル・プログラムの開発などを柱にした報告書骨子案を公表した。6月の取りまとめを目指す。骨子案では、外国人児童生徒担当教員の拡充を打ち出した。

4月28日付

熊本県が文科省に緊急要望=熊本県などで相次ぐ地震を受け、同県の村田信一副知事らが4月25日午後、文科省を訪れた。馳浩文科相にスクールカウンセラー(SC)や被災した文教施設の危険度を判定する専門家を派遣するよう、緊急要望書を手渡した。政府は同日午前、熊本地震による災害を「激甚災害」に指定にすると閣議決定した。復興に係る費用は、今年度の補正予算に組み入れられる。

5月2日付

激甚指定で馳文科相が対応示す=馳浩文科相は4月26日の閣議後会見で、熊本地震で被害のあった教育現場の声を吸い上げ、教員加配などに対応すると明言した。政府が前日25日に、このたびの地震の被害について激甚災害指定を決定したのを受けて、発言した。また県内教育施設の天井や壁などの非構造部材で被害が目立っている実態から、防災強化を図る方針を示した。

知識や技能だけの評価は回避=中教審初中教育分科会教育課程部会の生活科・総合的な学習ワーキンググループ(WG)が4月25日、文科省で第7回会合を開いた。資質・能力の3つの柱に沿った生活科、総合的な学習で育成すべき資質能力や評価の観点などの案を議論した。生活科では、生活体験からの気付きを重んじる中で、特定の知識や技能が身に付いたかだけで判断する評価は避けるべきなどの意見が出た。総合的な学習では、横断的、探究的な学びを重ねるだけでなく、社会の形成者としての自覚と参画の態度をさらに育むものにする必要性などが示された。

5月12日付

危険ドラッグ手に入ると思う=横浜市教委と同市健康福祉局は、市立小・中学校の児童生徒を対象に、薬物・たばこ・酒に関する意識調査を実施した。およそ8割に上る児童生徒が「危険ドラッグが手に入ると思う」と回答していた。この結果を受けて同市教委は、依存性のあるこれらについて、教材づくりを充実させる意向でいる。

手伝い・しつけが自己肯定感高める=国立青少年教育振興機構は5月2日、「青少年の体験活動等に関する実態調査」の平成26年度の結果を明らかにした。手伝いをよくしている子どもや、保護者がしつけに力を入れている家庭の子どもほど、自己肯定感や道徳観・正義感などが高くなる傾向にあった。家庭でのしつけや子どもにかける教育費(学校外)などについては従来通り調べた。加えて、携帯電話・スマホの利用状況等に注目して青少年の体験活動や意識等との関係も分析した。

5月16日付

「ゆとり・詰め込み対立に戻らない」=馳浩文科相は5月10日、「教育の強靱化に向けて」と題した文書を公表し、見解を示した。「子供たちの未来のために『次世代の学校』を創生し、教育の強靱化を必ず実現すると決意を新たにしている」とした上で、「この夏に向けて取り組んでいく当面の重点事項を掲げた」という。重点事項は、「論点整理」で示され強調された内容を、(1)学習指導要領改訂による「社会に開かれた教育課程」の実現(2)「次世代の学校・地域創生」の実現――の2点に集約したもの。また「『ゆとり教育』か『詰め込み教育』かの二項対立的議論には戻らない。知識と思考力の両方をバランスよく、確実に育むという基本を踏襲し、学習内容の削減は行わない」などとした。

熊本県知事が要望書=文科省を訪れた熊本県の蒲島郁夫知事らが5月9日、馳浩文科相に、学校施設の復旧や子どもたちの精神的ケアを行うスクールカウンセラー(SC)の派遣などを柱にした要望書を手渡した。「児童生徒が一刻も早く、学校生活が送れるように」とSCとスクールソーシャルワーカー(SSW)の派遣を要請した。

LGBT生徒の人権確立を提言=人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチは報告書「出る杭は打たれる」で、日本の学校でのLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)生徒へのいじめと排除について調査した状況をまとめた。それに基づき、国と地方自治体と教委に、LGBT教育について、教員養成課程で研修を義務化するなどを提言。実体験を漫画にして描いてもいる。

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