下肢静脈瘤 なりやすい職業に教員も

▽女性の罹患率は男性の倍
▽長時間立位仕事など誘因に
▽違和感あっても低受診率

ふくらはぎにこぶ状の膨れ上がりができる「下肢静脈瘤」。全国で年間推計患者数20万人、予備軍は数百万人といわれる。加齢や妊娠に伴って発症したり、長時間の座位や立位の姿勢で働く人に多い疾患だ。このうち、立位姿勢の時間が長い調理師や理髪師、看護師に並び、教員も静脈瘤の誘因の持ち主だ。男性よりも女性に多いので、女性教員は特に、加齢とともに、この疾患の機序やケアを心得ていたほうがよい。

■静脈の弁が閉じにくくなり血液が逆流してうっ血

心臓への復路である静脈の血液は、重力に逆らって心臓に上る。下肢では、静脈の弁とふくらはぎの筋肉(筋ポンプ)との連係プレーで、圧がかかった血液を心臓に戻していく。この弁が正常に閉じなくなると、血液が逆流してうっ血し、▽足がむくむ▽疲れやすい▽つる――などの症状が出てくる。これらは初期症状なので、単なる疲労と考えられがちだ。そのため病状が進行し、痛みなどに悩まされはじめる。

こうした状態をそのままにしておくと悪化し、皮膚炎を起こしてかゆくなったり、皮膚が黒ずんだり、腫瘍ができて痛くなったりする。外見では、クモの巣状やいくつものこぶが目立つようになる。

下肢静脈瘤は、一度できると自然治癒はせず、少しずつ進行していく。放置するとエコノミー症候群(肺血栓症)を起こす場合がある。
かゆみが続いたり、こぶに気付いたりしたら、自己判断をせず、医師に相談するのが肝心だ。

罹患率の男女比は1対1.2~2.8で、女性が男性のほぼ倍。
立位や座位を長く続けなければならない職業に就いている場合、日頃から励行したい予防策は、▽仕事の合間に立ったり座ったりする▽弾性ストッキングを着用する▽適度に運動する▽体重増加に注意▽足を清潔に保つ――など。

弾性ストッキングについては、毎日の着用が大切。医師の指示に従い、自分に合うストッキングを着ける。静脈瘤があると血液の循環が悪くなり、皮膚炎を起こしやすくなるので、足の清潔は大切だ。足がだるくなったら、短時間でも横になり、下肢を心臓よりも高くすると、だるさは軽減する。

■2時間以上立ち仕事の女性9割超に「足の違和感」

(株)クロスマーケティングが昨年8月、「足のむくみ・だるさ」に関するインターネット・アンケートを行った。対象は全国の30~60代の男女1千人。
それによると、だるさやむくみなど「足に何らかの違和感を感じている」は、「よく感じる」と「たまに感じる」を合わせて83.9%。そう感じている「座りっぱなし」の人は80.6%、「立ち仕事2時間未満」では82.6%、「立ち仕事2時間以上」では87.7%だった。特に女性では、同順で89.0%、88.6%、92.0%と高くなっていく。

また、そう感じている人で、医師に診てもらったのは15.4%。
病院を訪れるのは、男性は症状が悪化してからのケースが多い。男性は、日頃から足を出す服装をしないため、ひとの視線を気にせず、静脈瘤に対する意識が低いという。