【連載】口から語る健康 第41回 歯科衛生士が「良い口」指導

日本大学歯学部医療人間科学教室教授(歯学博士) 尾﨑哲則

 

歯科医院には、歯科医師のほかに歯科衛生士、歯科技工士、受付事務や助手といった人がいます。このうち、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士は資格を得るためには国家試験を受ける必要があります。これに合格することが絶対条件です。今月は、歯科衛生士という資格を説明していきます。

全国に歯科診療所は、6万8592カ所(平成26年10月1日現在)あります。就業歯科衛生士(歯科衛生士のうち、現在、歯科衛生士として働いている人を指します。約26万人が免許を持っています)は、11万6229人(同年12月31日現在)です。歯科診療所1カ所当たり1.7人の歯科衛生士が働いていることになります。

さて、歯科衛生士はどんな仕事をする職業なのでしょうか。

一般には、歯科衛生士は歯科専門の看護師のように思われている場合が多いようです。しかし、実は、歯科衛生士は歴史的にみていくと、最初から行うことができた業務は、歯科疾患の予防処置です。すなわち、むし歯や歯周病を予防するための処置を業務としています。

具体的には、むし歯予防のためにフッ化物を歯に塗ったり、歯周病予防のために歯石取りを行います。この予防を行うという点が、看護師との一番大きな相違の1つ目です。2つ目は、歯科診療の補助です。具体的には、歯科医師の指示の下に、比較的簡便な治療の一部を担います。そのため、機械で歯を磨いたり、器具で歯を処置したりします。そして3つ目が、歯科保健指導です。具体的には、個人に応じた個別の歯磨き指導や食の指導もしていきます。

今までにも、このコーナーでも述べてきましたように、歯科疾患は、ある程度予防が可能であります。そのために、歯科衛生士に手助けをしてもらって、予防をしていく必要があります。大人はいうに及ばず、子どもたちも、歯科衛生士と友達になってみましょう。自分の口のメンテナンスを、歯科衛生士の指導の下に行っていくことで、確実に「良い口」を一生持ち続けることができましょう。

そのためには「かかりつけ歯科医」をもつことが重要になります。そこの歯科衛生士と友達になって、自分の歯・口の管理を始めてみませんか。

関連記事