教育時事刻々【7月中旬〜8月中旬ふりかえり】

◇7月18日付

給付型奨学金を来年度に=参院選が行われた7月10日の翌日の会見で、安倍晋三首相が「給付型奨学金の予算を来年度にも盛り込む」と発言した。これについて馳浩文科相は7月12日の閣議後会見で、「なんとしても実現させたい」と強調した。このほか参院選の18歳、19歳の投票率についても言及。18歳の投票率が19歳のそれを大きく上回った点について、18歳高校生に主権者教育を受ける機会があった点を指摘した。

◇7月25日付

総則の改善イメージでたたき台案=中教審初中教育分科会教育課程部会は7月19日、文科省で第97回会合を開いた。総則・評価特別部会や学校段階別部会、特別支援教育部会、各教科等別ワーキンググループで取りまとめられてきた案について議論した。複数の委員から、家庭と学校、家庭と地域の連携に関する記述について「内容に厚みが欲しい」との声が聞かれた。

LGBT理解で教員らに講座=NPO法人ReBitは神奈川県横須賀市の後援で、性的少数者の理解と学校での対応、指導の在り方などを示す公開講座「LGBTってなんだろう?」を7月14日、同市の生涯学習センターで開いた。LGBTの基礎知識や当事者の児童生徒、若者の悩みなどについて、同法人の藥師実芳代表理事が、体験談を交えて説明。学校では、男女だけで区分された諸施設や男らしさ女らしさの押し付け、LGBTの正しい知識が伝えられていないなど、LGBTの子どもが抱える困難を指摘。参加した教員に、多様な性の在り方について伝え、課題克服への理解や努力を促した。

◇7月28日付

道徳科の報告書がまとまる=「道徳教育に係る評価等の在り方に関する専門家会議」は7月22日、文科省で第10回会合を開いた。「『特別の教科 道徳』の指導方法・評価等について」の報告書がまとまった。指導方法では質の高い多様な展開、評価では、大きなまとまりを踏まえ記述式。また発達障害のある児童生徒に対する評価では、その困り具合の特性を踏まえて行う必要があるとされた。文科省は同報告書を、7月中に各教委に通知していく予定。

オリパラ教育推進に向け最終報告書=文科省のオリンピック・パラリンピック教育に関する有識者会議は7月21日、同教育の推進を柱にした最終報告書を大筋で了承。真田久座長(筑波大学体育系教授)が鈴木大地スポーツ庁長官に手交した。オリパラ教育を「スポーツの価値の再認識を通じ、国際的な視野を持って世界の平和に活躍できる人材を育成するもの」とした。初中教育段階からは「スポーツの価値や高潔性を守る意味、それらを保持する不断の努力の大切さを学ぶ」との重要性を示した。また東日本大震災や熊本地震の発生を受け、「復興五輪」としての取り組みが求められた。

◇8月1日付

熊本地震を踏まえ緊急提言へ=文科省の熊本地震の被害を踏まえた学校施設の整備に関する検討会は7月27日、検討内容をまとめた「熊本地震の被害を踏まえた学校施設の整備について」の緊急提言を大筋で了承した。事務局は7月中に同提言を各自治体に通知し、対応を求める。提言では、柱などの構造体の耐震化に加え、窓ガラスや廊下、天井などの非構造部材の耐震性・健全性の確保が重要とされた。これは、児童生徒等の安全確保や学校施設を避難所として利用していくため。/福島県教育長らが文科相に要望書=鈴木淳一福島県教委教育長らが7月27日、文科省を訪れ、双葉郡の教育復興に向けた要望書を馳浩文科相に手渡した。馳文科相は「全省を挙げて支援していく」と力強く語った。要望書では、東日本大震災から5年以上が経過していながら、いまだに県内で避難生活をしている児童生徒がいると指摘。学習面などを支援する教員の加配措置の継続を訴えた。加えて、ICT支援員などの専門人材の充実を求めた。

◇8月4日付

個人情報の格納原則禁止=佐賀県で学校などから情報が窃取された問題で、有識者による文科省の「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会」は7月28日、児童生徒が利用する学習系システムには、個人情報の格納を原則として禁止とするなどの緊急提言を取りまとめた。8月中には、全国の都道府県教委に向けて通知を発出する見込み。秋ごろには、全国の情報セキュリティ担当者のための研修会を開く予定。

教員自ら組体操体験する研修を=学校安全教育研究所と全国学校安全教育研究会は7月29日、安全教育の充実や教職員等の資質向上を目的とした「第12回学校の安全・危機管理セミナー」を、東京都の文京区教育センターで開催した。日本の地震活動や次期学習指導要領と安全教育など、さまざまな講演を実施。日本体育大学の三宅良輔教授は「組立体操の指導面におけるケガの原因と今後」をテーマに講演。「教員が組立体操を体験するのが大切」と提言した。

◇8月8日付

新文科相就任直前の松野博一衆院議員が抱負語る=第3次安倍再改造内閣が8月3日夕、皇居での認証式を経て発足。新文科相就任直前の同日午後、松野博一衆院議員は報道陣の取材に答え、「文部科学行政の責任者となるので、施策を着実に進めていきたい」と抱負を語った。また「当選以来16年間、ライフワークとして文科政策と科学技術政策を合わせて取り組んできた。これらの分野に関しては、自分で実現していきたい施策もあるので、形にしていきたい」とも述べた。松野衆院議員は千葉県木更津市出身。早稲田大学法学部卒業。平成12年、衆院選千葉3区で初当選。26年に6期目当選。文部科学副大臣、厚生労働大臣政務官などを歴任。自民党国会対策筆頭副委員長を務める。

全国ICT教育首長協議会が設立=「全国ICT教育首長協議会」設立発表会が8月3日、東京都千代田区の秋葉原コンベンションホールで開かれた。同協議会は、各地の首長と教委などの関係者が協働を深め、未来を見据えたICT教育と環境整備の充実、ICTを生かした地域促進策を実現しようと設立された。

学校司書養成で新科目設定しモデルカリキュラムを提示=学校司書の資格・養成等に関する作業部会は8月2日、文科省で第3回会合を開いた。「学校司書の資格・養成等の在り方について」のまとめ案が示された。学校司書として専門的に履修すべき新たな科目構成と、それを含めたモデルカリキュラムが提示された。履修24単位を取得し、専門職としての資質能力を担保する。

関連記事