(記者の目)スマホ見た白杖者にうそつき 無理解より未理解が問題の核

〇…障害者への「無理解」がたびたび問題視される。だが、その真相は「未理解」、即ち、いまだ理解に及ばずだといえるのではないだろうか。ネット上で、白杖(ルビ・はくじょう)をつきながらスマホを見ていた視覚障害者が、通行人から「うそつき」と言われたという。白杖で点字ブロックをたたきながら歩いていた人は、年配の男性から「うるさい」と怒鳴りつけられたという。

〇…白杖を利用している視覚障害者者が全員、全盲とは限らない。視野が極度に狭く、部分的に見えている人も白杖を使っている。スマホのアプリで道案内を聞いている場合もある。点字ブロックは、視覚障害者にとって大切な誘導路である。視覚障害者は白杖の先から、何に触れているのか、点字ブロックか一般の舗装路なのかの情報を、時事刻々読み取っている。

〇…スマホで非難されたケースにはネット上の「炎上」の事情にも相通じるものがあるようだ。ネットの匿名性から、自分の正義感を直裁に手厳しく書き込み、賛意が膨らむ。白杖の場合の匿名性は、相手が全盲だとの思い込み。「うるさい」と怒鳴った男性にも、この匿名性が利いているようだ。

〇…どちらのケースも、視覚障害の特性や白杖の役割への「無理解」がある。しかし、「無理解」の前には、それを知る機会がなかった「未理解」がある。理解し、知った上で、なお 「無理解」なら、それは本物の差別だといえよう。そして、「未理解」は優れて教育の問題なのである。(池田)

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