教育時事刻々【11月中旬〜12月中旬ふりかえり】

◇11月17日付

教職員定数で財務省に理解を求める=文科省の中教審初中教育分科会は11月14日、第107回会合を同省で開いた。委員らは、教職員定数や同省の学校安全部会での審議経過について意見を出した。財務省が11月4日開催の財政審で、公立小・中学校の教職員定数を今後10年間で約4万9千人削減するとした案について、委員からは「子供の数が減っているから教員も減らしていいとの問題ではない」「学習指導要領の改訂で教員の負担がさらに増える。文科省から財務省に強く言ってもらいたい」との意見が出た。

◇11月21日付

子供の自己肯定感改善に向け環境づくり=政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大学総長)は11月14日、第1回専門調査会(主査・同総長)を文科省内で開いた。「子供の自己肯定感改善の環境づくり」についての議論をスタートさせた。松野博一文科相は「根本問題」と位置付け、鎌田主査は「方向性をしっかりと提案したい」とした。

◇11月24日付

「考え、議論する」道徳科でいじめに正面から向き合う=松野博一文科相は11月18日の閣議後会見で、いじめ防止に向けて、道徳科での授業を充実するよう訴えるメッセージ文を教員に向けて発信した。いじめについて具体例を挙げ、考えて議論する学びに積極的に取り組んでほしいとした。/不登校の教育機会確保法案が衆院文教委通過=不登校児童生徒の教育機会を確保する「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法案」が11月18日、衆議院文教科学委員会を通過した。これには、学校以外の学習の場を尊重し、登校に無理がないよう「休養」の必要性が示された。附帯決議には、教員定数の拡充が明記された。

◇11月28日付

原発避難いじめ問題で面談=文科省の義家弘介文科副大臣は11月21日、横浜市役所を訪問。同市の林文子市長や岡田優子教育長らと面談した。同市で起きた原発避難生徒へのいじめ問題の経緯と状況把握、今後の市の改善方策などを話し合った。副大臣は「いじめ被害を受けた少年の心にしっかり寄り添えていたのか」と指摘。「一事件として矮小化せず、問題克服を話し合いたい」とした。同市長は「学校と教委がより連携して取り組む体制を検討する」などと話した。/いじめ再発防止求める通知を全校に発出=原発避難いじめの問題で横浜市教委は11月21日、岡田優子教育長名で「教職員のみなさんへ」として、半澤俊和人権教育・児童生徒課長名で「学校長・学校長代理」宛てとして、「いじめ問題等への取組の徹底について」と題する通知を発出。内容は主に、学校と教育委員会事務局が「すぐに取組むこと」について。通知は509校ある市立全校(小学校、中学校、義務教育学校、高校、特別支援学校)に発せられた(分校2校を含む)。

◇12月1日付

横浜原発いじめで両親が批判=東日本大震災による福島第1原発事故の影響で、平成23年8月に福島県から横浜市に自主避難してきた男子児童(現在中1)が、転校直後からいじめられていた問題で11月23日、被害生徒の40代の両親が横浜市内で初めて、報道陣の取材に応じた。両親は、教委や学校の対応、担任の無理解などを批判した。一方では、親身になってくれた校長もいたと話した。またいじめを受けて苦しんでいる全国の子供たちに向けて、被害生徒が「苦しくても生きてほしい。死を選ばないでと伝えてほしい」と話していると明かした。/東京都立学校で水泳の飛び込み指導原則禁止に=東京都教委は11月24日、都立学校の水泳の授業などでスタートを指導する場合は、事故防止のために飛び込みを原則禁止し、水中からのスタートとする方針を決めた。他の自治体でも同様の動きがあるほか、文科省も対応を検討。

◇12月5日付

TIMSS2015で日本が過去最高点=国際教育到達度評価学会(IEA、本部オランダ)は11月29日、小学校4年生と中学校2年生を対象に、昨年3月に実施した国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2015)の結果を公表した。日本は全体で過去最高の点数を獲得し、学力向上が見られた。理科では、小学校が3位、中学校が2位に浮上した。算数・数学は小・中学校ともに5位で前回(TIMSS2011)と変わらなかった。/外国語の小学校特別免許状創設=文科省の中教審初中教育分科会教員養成部会の第94回会合が11月28日、東京都千代田区の全国都市会館で開催された。事務局は、同月18日に成立し、この日に公布の教育公務員特例法等の一部改正の法律など、教員の養成・採用・研修の一体的な制度改革を実行するための関連3法について説明した。「教育職員免許法」に外国語の小学校特別免許状を創設したほか、「教育公務員特例法」に記載されている「十年経験者研修」の名称を「中堅教諭等資質向上研修」に改め、実施時期の弾力化を図るなど、さまざまな改正を実施。外国語の小学校特別免許状は、公布日から教委の判断に基づき授与が可能となる。/寝る時間短く注意制御力低い=大阪市淀川区はこのほど、大阪市立大学との連携で実施した、子供の睡眠習慣に関する「ヨドネル大規模調査」の結果を活用し、啓発資料「淀川すいみん白書」を作成した。スマホをよく使うほど、夜にコンビニによく行くほど睡眠時間が短く、家人から褒められる機会が少ないほど注意制御力が低いなどの結果だった。

◇12月8日付

新教育長任命は都道府県で8割=文科省は12月2日、昨年度からスタートした新教育委員会制度の移行調査結果を公表した。今年9月1日現在で、新教育長を任命した都道府県・政令指定都市は約8割に上った一方で、市町村は約5割に留まっていた。首長と教育長らが意見交換する総合教育会議は、都道府県・政令指定都市の全てで開催されていた。

◇12月12日付

PISA2015科学と数学で好成績=OECDは12月6日、2015年実施の国際学習到達度調査(PISA)の結果を公表した。全問題にわたって初めてCBT(Computer Based Training)方式で行われた。日本は、科学的リテラシーと数学的リテラシーは好成績を維持した一方で、読解力では前回調査(PISA2012)よりも低かった。

◇12月15日付

新潟「菌」いじめで教員の発言は「極めて不適切」と文科相=福島県から新潟市に自主避難した同市立小学校4年生の男子児童が、同級生や40代男性の担任教諭から名前に「菌」を付けて呼ばれるなどのいじめを受けていた事案が発覚。これについて松野博一文科相は12月9日の閣議後会見で、担任の対応について「極めて問題である」と批判。「不適切な言動を防ぐ取り組みをしてもらいたい」と、各教委に向けて再発防止を促した。

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