平成29年 年頭所感(5)

教育政策への期待
公益社団法人日本PTA全国協議会会長 寺本 充

寺本社会の急速な進展は、新たな価値観の創造やさまざまな変革をもたらし、今を生きる私たちには、次世代を見据えた新たな方策と行動が求められています。

教育の分野も例外ではなく、次代を生き抜く人材育成のため、「アクティブ・ラーニング」「深い学び」「対話的な学び」「主体的な学び」などが次期学習指導要領で示され、学校での学びが変革されていきます。

教育現場の多様化・複雑化はさらに進展し、子供たちへ質の高い教育や指導が求められることから、対応できる教職員の確保・育成は必須です。

財政的見地から毎年教職員定数削減を巡る攻防等に終止することなく、国家百年の大計と言われる教育に、国が一層の注力をされることへの大きな期待が寄せられています。

子供たちが安心して学ぶことができる施策をもとに、社会全体で育む協働社会の構築に向けた研さん・啓発・実践の推進をしていけますよう、本年も皆様のご理解ご協力をお願い申し上げます。


連携を深め生きる力育む
日本PCA教育振興会会長 鈴木 仁

鈴木新年おめでとうございます。

変化の激しい社会の中で子供たちがたくましく生きていくためには、「生きる力」が必要だと言われています。生きる力とは、知・徳・体のバランスのとれた力のことで、さまざまな体験や活動を行う中で自然に育まれていくものであると考えています。

身近なものでは、家庭におけるお手伝いや、ペットや植物の世話、家族旅行。あるいは、地域社会におけるお祭りや行事、ボランティア活動への参加なども、その一例です。

こうした経験をたくさん積み重ねることで、生命を尊重する心や他人に対する思いやり、社会性、倫理観が芽生え、豊かな人間性が身に付いていくように思います。

そのために大人がなすべきことは、子供たちの教育に関心を持ち、積極的に関わることです。

今年も本会では、家庭、地域、学校との連携を深め、青少年の健全育成に力を注いでまいりますので、ご関係者の皆様には、一層のご支援・ご協力を、お願い申し上げます。


歴史認識と洞察力が必須
公益財団法人社会教育協会理事長 黒水 恒男

黒水さん予想に反してEU離脱となった昨年6月の英国の国民投票、大方の判断を覆した昨秋の米国大統領選挙。

いずれも、これからの日本や世界の政治・経済に多大な影響を与えると思われる。

今現在人口、環境、気候変動、食糧など多くの課題をもち、かつ地域紛争、難民など地球的課題を有する世界で必要な人材をわが国は育成できているであろうか。

しかも、航空機と通信技術の発達で、グローバル社会となった現在、地球を股に掛け活躍する人材が育っているであろうか。

このような時代の到来を想定し、全国的に歴史検定試験を始めて21年目となる。平成20年、夏冬2回で約5万人であった受検者が、昨年11月(年1回)は8700人である。

貿易立国しか生きる道のない日本で、果たしてこのままでよいのか大いに懸念している。日本独自の技術、製品を全世界に提供しなければならないとすれば、言葉の問題だけでなく、技術や製品の背景にある文化歴史も語る必要が生ずる。

グローバル人材育成の必須条件、それは自国および相手国の歴史認識と歴史・文化を踏まえた洞察力である。


学校図書館で深い学びを
公益社団法人全国学校図書館協議会理事長 森田 盛行

森田さん昨年は、「学校図書館年」として、各地で学校図書館年にちなむ行事が展開されました。8月には、5日間にわたり約30カ国の研究者、実践者が参加する学校図書館の国際大会(2116国際学校図書館協会東京大会)と全国学校図書館研究大会の2つの大会が開かれました。日本と世界各国の研究者と実践者がそれぞれの環境の違いを乗り越え、情報や実践の交換ができたことは、学校図書館の発展に大きな弾みになりました。

学校図書館は、長い間本を読む「部屋」と認識されていましたが、近年は読書や学習を支える「機能」という理解が広まっています。学校図書館を活用する学習が日常的になりました。これは対話的・主体的な深い学びが学校図書館を活用することで効果が上がることが認められたからです。

まだ課題は多くありますが、学校教育に学校図書館の果たす役割は多くなる一方です。

本年も、多くの関係機関・団体とも連携し、学校図書館の充実に努めてまいります。


 

教育予算増を前進させる年に
全日本教職員組合中央執行委員長 蟹澤 昭三

蟹江新年、あけましておめでとうございます。

日本では、6人に1人の子どもが貧困であり、日本の教職員は国際的に異常な長時間過密労働のもとにあります。

教育の果たすべき役割は文化の発展に寄与し歴史を前にすすめると同時に、次世代の格差を縮小し、真に平和で自由な社会をつくっていくことにこそあると思います。教育の成果を短期的・表面的に評価しようという動きが財政当局にはありますが、それは単に企業にとって役に立つかどうかという新自由主義的なものさしを教育の場に持ち込んでいるだけであり、それでは子どもたちは押し潰されてしまいます。

いま必要なのは、子どもたちが、お金の心配なしに学べること、教職員がゆとりを持って一人ひとりの子どもたちの成長に寄り添った教育実践にとりくめるための定数改善計画です。そうした国民的合意を広げ、国における抜本的な教育予算増を求めるとりくみを、みなさんとともにすすめていきたいと思います。


美しい日本人の心を育てる
全日本教職員連盟委員長 岩野 伸哉

岩野謹んで新年のお慶びを申し上げます。

東日本大震災に伴い、福島県から横浜市へ自主避難した中学生男子生徒が、小学校時のいじめが原因で不登校になりました。「しんさいでいっぱい死んだから、つらいけどぼくはいきるときめた」などと手記につづられた彼の叫びは、日々真剣にいじめ・不登校問題と向き合う教職員の胸にも突き刺さりました。

いじめを背景とする自殺が相次ぐ中、よく死を踏み止まり、頑張って生きていてくれたと思わずにはいられません。

「原発いじめ」は新潟でも発覚しました。

現在も避難地で苦しんでいる子供たちを救い、今後同様なことが起きないように、国と各学校関係者、自治体は緊急に対策を講じる必要があります。

全ての教師は、子供たちに思いやりの心を育む道徳教育や生徒指導の充実をより一層図らなければなりません。

今後も全日教連は、活動理念とする「美しい日本人の心を育てる」教育の伸展に揺るぎなく邁進します。


成年年齢と高校教育について
日本高等学校教職員組合中央執行委員長 山尾 宏

山尾謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

現在、成年年齢を18歳に引き下げる法改正の立案作業がなされており、昨年9月に実施されたパブリックコメントの結果が公表されました。教育現場の混乱を防ぐため、施行日は4月1日にすべきとの意見や、消費者被害を防ぐために3年以上の周知期間を設けるべきとの意見が多かったようです。また、高校等の同学年に成年と非成年が混在することや、成年の生徒に対する指導についての課題等が寄せられています。

国民投票法、選挙権年齢の引き下げおよび青年期の発達心理などを踏まえての方向性であり、肯定的に捉えるとともに、当事者が社会の一員として自覚と責任を有することが大切と認識しています。一方、改正当初の混乱を無くすためにも、慎重な検討が必要と考えます。

日高教として、仮に18歳成年となった場合には、生徒が成年としての権利と義務を理解し、行動することができるよう取り組みをしっかりと図ってまいります。


健康な生活の確保に貢献
公益社団法人日本薬剤師会会長 山本 信夫

山本あけましておめでとうございます。

皆様におかれましては、輝かしい新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

少子高齢化が急速に進む中、医療・介護提供体制等の改革や医療・介護等を一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の構築が進められています。

昨年4月には、「患者のための薬局ビジョン」に示されたかかりつけ薬剤師・薬局の基本的機能を備え、国民による主体的な健康の保持増進を積極的に支援する「健康サポート薬局」が、医薬品医療機器等法に位置付けられました。

超高齢社会に向けて、薬剤師・薬局は、医療の担い手であるとともに、地域住民の健康を支援する地域社会のリソースとして、重要な役割を担っています。

調剤のみならず、OTC薬の適切な供給を通じてセルフメディケーションを支援する、かかりつけ薬剤師・薬局の普及を推進し、国民の健康な生活の確保に貢献していく所存であります。

皆様のますますのご健勝とご多幸を祈念申し上げ、新年の挨拶とさせていただきます。


健やかな成長を願う
全国養護教諭連絡協議会会長 木嶋 晴代

木嶋謹んで新年のお慶びを申し上げます。

次期学習指導要領等では、「社会に開かれた教育課程」の実現において、子供たちが社会とのつながりの中で学び、自らの人生や社会をよりよく変えていくことができるという実感を持つことは、困難を乗り越え、未来に向けて進む希望と力を与えることにつながるとされています。

学校と社会が共有・連携しながら、子供たちがこれからの時代を生きていくための資質・能力を育成するために、「社会に開かれた教育課程」の役割が、期待されています。

養護教諭は、これまでも多様化・複雑化している健康課題の解決に向けて、学校・家庭・地域の関係機関等と連携し、子供たちの成長や発達を総合的・経年的に支援するコーディネーターとして、実践を重ねてきました。また、このような役割が、養護教諭としてさらに大きなものになると考えます。子供たちの尊い命を守り、健やかな成長を願い、健康教育の推進に精一杯努めてまいります。

今年も皆様のご指導とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。


全国組織として一致団結
全国公立学校事務長会会長 脇田 祐光

脇田謹んで新春のお慶びを申し上げます。昨年8月4・5日、富山県富山市の富山国際会議場において、全国から多くの事務長の参加のもと、記念の第40回研究協議会並びに総会を開催することができました。関係諸機関のご理解とご支援を得て、新たな歴史と伝統を築く大成功の大会となりましたことに感謝申し上げます。ありがとうございました。

本年もまた、全国組織として一致団結し、学校現場が直面する諸課題に全力で取り組み、教育の発展に寄与する活動を展開してまいりたいと思っております。私自身も、今年「チーム学校」、「学習指導要領改訂」等、未来を志向した教育行政の動向にも十分留意しながら、校長の経営計画実現のため副校長(教頭)とともに、事務長の職責を果たせるよう取り組んでいくことを強く決意をしております。

最後になりますが、本年も、本会へのご理解・ご協力を宜しくお願い申し上げます。


研修テキストの活用を
全国公立小中学校事務職員研究会会長 鳥本 安博

鳥安新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年、本会では文部科学省の委託事業において「学校事務職員の研修プログラムモデル及び研修テキスト(事務長編)ver1.0」を作成しました。

学校のマネジメント機能の強化のため、事務職員がマネジメント力を発揮することが求められている中、研修プログラム開発において事務職員のキャリア別、望まれる研修実施組織に分類し体系化を図るとともに、テキスト開発では事務長にとって必要な資質を実際の現場で生かすための研修の在り方を考え、学んだ知識を使う、生かすための研修としてケースメソッドを取り入れました。

チーム学校の推進において事務職員への期待が高まる中、このテキストが今後各地で活用され、事務長・事務職員が学校や教育行政における役割や職責を果たし、学校のマネジメント機能の強化につながることを期待しています。


地域の他職域の仲間と協働
公益社団法人日本栄養士会会長 小松 龍史

小松平成28年度から、第3次食育推進計画がスタートしました。学校給食に関わるものとして、中学校の学校給食実施率を90%以上とする、学校給食における地場産物を使用する割合を30%以上とする、学校給食における国産食材を使用する割合を80%以上とする、などの数値目標が掲げられました。

食は人が生命を維持し心身ともに健康に生きるための生活の基本です。学校給食のさらなる充実と栄養教諭・学校栄養職員の活躍に期待しています。

ところで近年は少子高齢化がますます進み、地域の衰退が大きな問題となっています。管理栄養士・栄養士は地域内の教育施設はもとより医療・福祉などの施設職員あるいは自治体職員や地域活動家として活動しています。

特に今後重要視されるであろう地域包括ケアシステムは、老若男女を問わず、中学校区などの地域単位で助け合う活動が必要とされています。教育分野の管理栄養士・栄養士の皆様も地域の他職域の仲間と協働していきましょう。


学校の食育の要となる栄養教諭
公益社団法人全国学校栄養士協議会会長 長島 美保子

新年、あけましておめでとうございます。%e9%95%b7%e5%b3%b6%e3%83%bb%e5%85%a8%e5%9b%bd%e5%ad%a6%e6%a0%a1%e6%a0%84%e9%a4%8a%e5%a3%ab%e5%8d%94%e8%ad%b0%e4%bc%9a

栄養教諭は、平成17年にスタートしてから11年が経過し、学校における食育の中核を担い、食育推進の要として取り組んできました。

平成20年には現行学習指導要領に「食育の推進」が明記され、食育基本法や学校給食法にも位置付けられて、法的整備がされてきました。しかしながら、全国における栄養教諭配置のバラツキや学校給食の実施率の格差などから、十分な成果につながってこないことも否めません。

次期学習指導要領審議のまとめでは、教育課程における「現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力」として、「健康・安全・食に関する力」が挙げられています。

生活習慣病の低年齢化など山積する食と健康の課題に向けて栄養教諭の役割の具現化を図り、チーム学校の中で専門性を発揮した取り組みを推進する1年にしたいと思います。

 

 

 

 

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