教育時事刻々【昨年12月中旬〜1月中旬ふりかえり】

◇昨年12月15日付

図書更新や学校司書配置の予算拡充求め緊急集会=(公財)文字・活字文化推進機構(肥田美代子理事長)と、学校図書館整備推進会議(森田盛行代表)は昨年12月7日、「学校図書館予算の拡充をめざす緊急集会」を衆議院第一議員会館で開いた。出版関係者ら約200人が出席し、「学校図書館図書整備等5か年計画の策定と地方財政措置の拡充を求めるアピール」を採択した。集会は、学校図書館議員連盟と、子どもの未来を考える議員連盟が共催。アピールでは、第4次を数えている同計画を踏まえ、「残念ながら今なお、図書も教材も新聞も人も不足しており、引き続き、学校図書館施策の拡充のための取り組みを進める必要がある」と強調。「新たな第5次計画を策定し、向こう5年間で学校図書館図書標準を達成するとともに、新しい蔵書整備のための図書の廃棄・更新、新聞配備や積極的な学校司書の配置に必要な地方財政措置を、私たちはここに強く要望します」と結んだ。

国大協が記述式問題と評価で考え方=国立大学協会は12月8日、都内で開かれた会見で、文科省が提案する「大学入学希望者学力評価テスト」(仮称)の記述式問題の出題方式に対する基本的な考え方について説明した。同テストは平成32年度実施予定。同協会が示す現状の基本的な考え方としては、国立大学は、共通と個別試験の大学入学者選抜全体を通して論理的思考力、判断力、表現力などを評価する記述式試験を実施するなど。

◇昨年12月22日付

次期学習指導要領に向けて答申=中教審総会が昨年12月21日に開かれ、次期学習指導要領に向けた「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策について」を答申。2月のパブリックコメントを経て、年度末の3月には新たな学習指導要領が告示される。また小学校での外国語教育が大きく動くのを受けて、移行措置についての告示が行われる。答申は、「2030年の社会と子供たちの未来—予測困難な時代に、一人一人が未来の創り手となる」のを目指し、「生きる力」の理念の具体化、社会に開かれた教育課程、学びの改善と深化、それらを担保する教員の資質・能力の向上などを打ち出している。

来年度予算案で教職員定数など大臣折衝=文科省の平成29年度文教関係予算案の内容が昨年12月16日に明らかになった。義務標準法改正を視野に、来年度からの10年間にわたる公立小・中学校の教員定数約3万人増員計画に関わる部分と給付型奨学金、幼児教育無償化については、松野博一文科相と麻生太郎財務相との大臣折衝となった。折衝は19日に行われ、通級指導や外国人指導のための教員を基礎定数に盛り込む決着がついた。文科省は来年の通常国会で義務標準法を改正する。これで、この分野では、安定的な教員定数の確保が実現できる。その結果、来年度の義務教育費国庫負担金についての予算案は、1兆5248億円となり、今年度比で22億円減となった。

◇1月1日付

「答申」をどう捉えるか=昨年12月21日に出された、次期学習指導要領に向けた中教審答申を、教育現場ではどう捉えているか。管理職や教員はどう準備するべきか。大橋明全連小会長と榎本智司全日中会長にインタビューした。大橋全連小会長は「校長は工程表を作り、教員と一緒に推進を」、榎本全日中会長は「学校経営にどう生かすか、自分なりの考えを」と述べた。

新たな学習指導要領で総則を抜本的に改善=新たな学習指導要領が、3月に告示される。その顔ともいうべき総則について、答申には、「総則の抜本的な改善」として概要が盛り込まれた。総則には、何ができるようになるかなどの育成すべき資質・能力の三つの柱が強調された。それを育むために、カリキュラム・マネジメントやアクティブ・ラーニングなどの視点が整理される見通しだ。

◇1月12日付

プログラミング教育で障害児や特異な才能の児童育てる=平成32年度、小学校から順次全面実施となる次期学習指導要領では、プログラミング教育が小学校で必修化される。これを受けて総務省は来年度から、障害児や特異な才能のある児童を対象にしたプログラミング教育の実証実験を開始する。障害のある児童を対象にしたプログラミング教育では、特に視覚に障害のある児童を対象に簡単なプログラミングを組み、音声で内容を読み上げ、確認するソフトを活用した授業などを行う。特別な才能のある児童に向けては、ゲーム作製ソフト「Unity」(ユニティ)を活用して発展的な授業なども想定している。

組み体操でのけが発生率は3割で骨折が最多=千葉県教委が、県内小・中・特別支援学校での今年度の組み体操の実施状況を調査したところ、けがの発生率は約3割だった。組み体操を実施した小・中学校は276校。このうち、けがが発生したのは85校で、発生率は30.5%。小学校は74校、30.0%、中学校は11校、37.9%。件数は全体で175件で、骨折が25件で最も多かった。

才能ある子に理数系育成塾=文科省は来年度から、理科や数学、プログラミングの分野で高い意欲や優れた能力のある小・中学生を対象に、大学などで個別指導を行う「Jr.(ジュニア)ドクター育成塾」を開始する。世界に通用する研究者やノーベル賞候補者の育成につなげるのがねらい。小5から中3までが対象。5年間実施される。

◇1月16日付

高校に複数の新聞を配備し主権者教育の充実狙う=主権者教育の充実に向け、文科、総務両省は、公立高校の学校図書館に複数の新聞を置けるよう、来年度から自治体に財政支援を行う方針を固めた。生徒に複数の新聞を読む機会を与え、社会問題を多面的に考えさせるのが狙い。

学校事故対応に関する指針で通知=文科省はこのほど「『学校事故対応に関する指針』に基づく適切な事故対応の推進について」と題する通知を、藤原誠初中教育局長名で全国の都道府県・政令指定都市教委教育長などに発出した。指針は昨年3月31日付で既に発出されていた。だが、保護者とのトラブルや学校からの報告の遅れなどがある現状を踏まえ、通知では、いまだに一部の学校や学校設置者などで、指針の趣旨・内容に関する認識が十分でないと思われる事例が見受けられるとしている。このため、事故発生後に適切な対応を行うよう、学校と学校設置者、地方公共団体の担当部局で、指針への理解を一層深め、徹底してもらう必要があると、学校や学校設置者が適切に対応するよう指導するのを教育長らに求めた。

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