大牟田市の挑戦 持続可能な社会に向けて(5)「未来の大牟田」考えられる人材を

児童によるボランティアガイドの実践(駛馬北小学校)
児童によるボランティアガイドの実践(駛馬北小学校)

平成23年度末に市内全ての公立小・中・特別支援学校が一斉にユネスコスクールに加盟した大牟田市では、各学校が、それぞれの校区の特色を生かしたESDに取り組んでいる。今回も、その中から2つの実践を紹介する。
○「大牟田の宝が、世界の宝に」―世界遺産学習

▽駛馬北(はやめきた)小学校、宮原中学校(世界遺産学習)

本市には、三池炭鉱関連遺産群である「宮原坑」「三池炭鉱専用鉄道敷」「三池港」の3つの遺産が存在し、平成27年7月に「明治日本の産業革命遺産」として世界文化遺産に認定された。これまでも本市の小・中学校では、世界文化遺産に認定される以前から、これらの世界文化遺産についての学習を推進してきた。中でも「宮原坑」が校区内にある駛馬北小学校や宮原中学校では、地元の世界文化遺産の価値を多くの方に発信しようと、特色あるさまざまな取り組みを展開してきた。

駛馬北小学校では、3年生以上の児童が、校区の「宮原坑」についての学習を進め、特に6年生では、「宮原坑」を訪れる人々に、「宮原坑」の概要や価値を説明する「子どもボランティアガイド活動」を行っている。

同校の児童が進学する宮原中学校では、「宮原坑」についての学習を深めるとともに、「私たちの魅力あるまちづくりプロジェクト会議」を行い、全校生徒が地域との関わりや学校行事を生かした取り組みを進めている。

1年生は、『僕らの世界文化遺産「宮原坑」写真展』の開催し、市内の公共施設をはじめ、福岡市で行われたフォトコンテストにも応募した。多くの人に大牟田のよさを知ってもらう活動である。2年生は、京都への修学旅行の際に、英語版のチラシも含め手作りの「大牟田の宝」観光チラシを配布し、広く外国の観光客の集客も目指した。3年生は、学校、地域、世界文化遺産「宮原抗」一帯にひまわりの花を多く咲かせ、街中を笑顔で明るい街にしたいと、地域に呼び掛け、地域の方々と一緒に花を植えた。

この活動を通し、各学年で大牟田のまちづくりへの参画意識を高めた。小・中学校で継続的、系統的、発展的な世界遺産学習を通して、児童生徒たちの世界文化遺産への関心を高め、まちの活性化という視点から地域とのつながりを深めている。

○「思いをつなげ! 吉野小、桜プロジェクト」

▽吉野小学校(地域教育)

大牟田市の北部に位置する吉野地区は、かつてたくさんの桜が咲き誇る美しいまちであったが、現在は、桜の木もまばらとなった。実は、半世紀前、吉野小学校が創立された時、住民が校庭やまちを桜でいっぱいにしたのである。吉野のまちが桜の美しいまちであったことを知った児童たちは、「桜で美しい学校、まちにしたい」と願い、校区内を隅々まで回って調査し、地域住民との懇談会で桜植樹への思いと計画を訴えた。その一生懸命な姿と行動に地域の多くの人々が賛同した。

学校では「桜プロジェクト」として、地域では「さくら絆プロジェクト」として、地域をあげた取り組みとなった。商店組合は、パンフレットを作成して、「桜プロジェクト」「さくら絆プロジェクト」を支援。児童たちは、地域の人々と一緒に校庭や公園等に桜の木を植樹する活動に取り組んでいる。

桜を中心にしたまちづくりを通して、地域と積極的に関わり、地域社会の一員として、学校や地域づくりに参画する喜びを実感している。

2回にわたり4つの事例を紹介したが、大牟田市では各校区の特色を生かし、地域の教育資源に焦点を当てながら、「未来の大牟田」を考えられる子供の育成に、日々挑戦している。

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