大牟田市の挑戦 持続可能な社会に向けて(6)「未来の大牟田」考えられる人材を

eye-catch_1024-768_yasuda福岡県大牟田市教育委員会教育長 安田昌則

平成23年度末に市内全ての公立小・中・特別支援学校が一斉にユネスコスクールに加盟した大牟田市では、各学校が、それぞれの校区の特色を生かしたESDに取り組んでいる。今回は最後に、現在の進捗状況や今後の展望についてまとめておきたい。

○官民一体となった組織的取り組みの拡大(ESD推進コンソーシアム・ESD推進本部・ESD推進協議会等)

「ユネスコスクールのまち おおむた」は、平成23年度からスタートした。26年度からは、3年にわたり教育委員会としては全国で唯一、文科省「グローバル人材の育成に向けたESD推進事業」の指定を受けることとなった。

子供たちも積極的にESDに取り組んでいる
子供たちも積極的にESDに取り組んでいる

市内のユネスコスクールが推進拠点となり、福岡県教委や福岡教育大学、さらに市内のさまざまな社会教育施設や団体、企業の協力を得ながら、ESD推進のためのコンソーシアム(共同体)としての活動を展開し、取り組みの推進・拡大を図ってきた。それまで以上に地域としてのESDの考え方の浸透や全国各地の学校や教委等との交流が生まれ、各学校におけるESDの充実が図られてきた。

28年度には、教委だけでなく、市として持続可能なまちづくりを推進するために、市長が本部長となり「大牟田市ESD推進本部」が立ち上げられ、市役所の各行政部での取り組みの推進・連携が図られることとなった。市内の全公立小・中・特別支援学校がユネスコスクールに加盟承認された日を記念して、1月17日を「ユネスコスクールの日」として制定、その前後を「ESD推進週間」として市全体で気運を高める行事等を実施している。

今年9月には、退職校長会や文化連合会、各校区まちづくり協議会や社会福祉協議会、信用金庫等が会員となって「大牟田市ESD推進協議会」を設立、より一層、各学校への協力支援が図られるようになったところである。

わずか数年前に小・中・特別支援学校で始まった持続可能な社会の実現を目指した教育は、新たなつながりを生み、新たな展開を迎えている。

○これからの展望

「ユネスコスクールのまち おおむた」として市をあげてESDを推進してきたことにより、たくさんの全国各地のESD関係者との出会いがあり、新たな強いつながりを実感している。今後は、このつながりをさらに広め、より強いものにしていくための新たな行動が必要であると考えている。次期学習指導要領においても、その前文に「持続可能な社会づくりの創り手」の育成が明記された。全国各地の学校や推進拠点との交流はもとより、今後広がり続けるであろう各種のESD推進拠点とも積極的に連携を図っていきたい。

うれしいことに市内の公立高校もユネスコスクールに加盟申請する話がある。就学前の幼稚園や保育園、そして高校や大学とも連携を密にし、系統的・発展的な取り組みを構築していきたい。

今年、市制100周年を迎えた。100年前に三池炭鉱を日本一の炭鉱に作り上げた團琢磨氏は、100年後の大牟田の未来に思いを馳せ、巨費を投じて世界文化遺産の三池港を開港した。私たちも今、これから100年先の大牟田、そして日本、さらに世界を見据え、小さな一歩を積み重ねながら進んでいきたい。

(おわり)

関連記事