2018年 年頭所感(4)

インクルーシブな学校を
日本教職員組合中央執行委員長 泉 雄一郎

あけましておめでとうございます。

「災害後の症状は、異常な体験に対する正常な反応であるという認識をもつことが大切」

アメリカのFEMA(連邦緊急事態管理庁)のメンバーからいただいた心のケアに関するアドバイスです。

異常な体験は自然災害発生時に限ったことではありません。いじめ・暴力・虐待など、格差社会の中で基本的人権が侵害され、日常的に異常な体験をしている人々がいるのではないでしょうか。

私たちは、自らが人権侵害の現実から深く学び、教育の在り方や人権の捉え方を見つめ直す中で、一人一人の子供の個性や違いを尊重し、互いに支え合い、助け合うような関係づくりを大切にしてきました。共に生きる学校文化の創造は、共に生きる社会の形成者としての主権者を育む教育のベースとなります。

人権を基軸に据え、全ての子供に豊かな学びを保障するインクルーシブな学校づくりを進めてまいります。

皆様のご理解とご支援をお願い申し上げます。


質の高い教科書を目指して
一般社団法人教科書協会会長 野澤 伸平

明けましておめでとうございます。

義務教育の次期学習指導要領・解説が公表され、高校についても教科の再編が行われると聞いていますが、その高校用学習指導要領・解説が間もなく発表されます。また、小学校用「特別の教科道徳」は既に採択が終わり、今年4月には児童たちの手に渡ります。

新教科の編集、またデジタル教材の開発も本格的な研究に入り、発行者にとっては忙しい1年となることでしょう。

協会では教科書業界の浄化のために昨年「教科書発行者行動規範」を制定し、公正で静謐な採択を申し合わせました。新年に当たり、児童生徒にとって、より学習しやすい、質の高い教科書作りを目指してまいります。


多様なニーズに応える
公益財団法人教科書研究センター常務理事 辰野 裕一

今年、教育界では、2年後の新しい教育課程の実施に向けて、新学習指導要領による小学校教科書の検定、デジタル教科書関連の法制整備などの具体的な動きが本格的に始動します。

昨年、付属図書館は創立40周年を迎えました。関係2館と協力し、パンフレット「教科書の図書館―人生のタイムカプセル―」を作成・配布したところ、懐かしがって訪れるシニアの方々も増えています。当センターには、日本の教科書制度を学ぶため外国からも多くの訪問団が訪れます。昨年、ミャンマーの教科書が面目を一新したのも、その成果の一つとうかがっております。

これら、新しい時代に向けた教育界の動きへの適切なサポートや国内外の教科書に対する多様なニーズに応えるため、今年も微力を尽くしてまいります。


道徳教育の新たな展開
一般社団法人日本図書教材協会会長 菱村 幸彦

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。

いよいよ今年の4月から全国の小学校で「道徳の時間」が「特別の教科」となり、教科書を使った道徳科の授業が全面的に実施されます。昭和33年に「道徳の時間」が設けられて以来、実に60年ぶりの大改革です。

この60年間、文部科学省は、道徳教育の充実を目指して、他の教科とは比べものにならないほど多額の予算を計上し、およそ考えられる限りの施策を実施してきました。にもかかわらず、道徳教育は必ずしも十分な成果を上げることはできませんでした。

残された施策としては、「道徳の時間」を教科とし、教科書を使った授業にするほかないと考えていました。それがようやく実現したわけです。道徳の教科化は、戦後教育に残された最後の課題の解決といっていいでしょう。今後の道徳教育の新しい展開に期待しています。


今こそ学校教材の整備促進を
一般社団法人日本教材備品協会会長 大久保 昇

新年あけましておめでとうございます。

さて、昨年は待望の新指導要領が告示されました。子供たち一人一人の「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指して、本年度から準備が本格化することでしょう。子供たちが実際に触れることのできる教材教具は、児童生徒の主体的な学びを助け、自らの考えを深める上で極めて重要であり、不可欠でもあります。

学校の教材整備については、文部科学省で制定された「教材整備指針」により、各学校で整備計画を立てやすくなっています。

さらに、財源として毎年800億円が地方交付金の形で財政措置されています。しかし、具体的な実施は各自治体に委ねられることから、自治体により整備状況に大きな格差が生じているのが実情です。これらを踏まえ、全ての自治体で、計画的な学校教材の整備への取り組みが図られるべきと考えます。

当協会では、優れた教材の開発・普及を図り、教材整備を本年も推進してまいる所存です。


情報化教育の環境を整備する
一般社団法人日本教育情報化振興会会長 赤堀 侃司

新年、明けましておめでとうございます。

2020年に実施される新学習指導要領を目標にして、今年は、その実現をするための環境整備の支援をしていきたいと思っております。日本教育情報化振興会は、ICT関連の企業を中心に、教育の情報化を支援していく団体です。

新学習指導要領では、情報活用能力が、言語能力と並んで、重要な資質能力として目標に掲げられています。これは、教育課程上では画期的なことだと思います。その能力育成のためには、子供たちが、自由に自分たちの意見を表現したり、伝えたり、編集したり、関連する情報を収集したりする、道具としてのICT環境が不可欠です。

このような資質能力が重要視される背景には、急速な進歩をしているAIやIoTなどのデジタル技術に、人が正しく対応する能力が求められている現状があります。私たちは、そのような環境整備の一翼を担う所存です。

今年もよろしくお願いいたします。


目標ある生徒らへの産業教育
公益財団法人産業教育振興中央会専務理事 冨岡 逸郎

新年明けましておめでとうございます。

産業教育振興中央会では、専門高校での教育を中心とした産業教育の振興のお手伝いをしています。

高校生全体に占める専門高校の生徒の比率は、昭和40年代までは40%を超えていましたが、今日では20%を下回る状況となっています。1964年の東京オリンピックの開催を契機にわが国の産業が大きく伸びた要因の一つとして、当時の職業高校において多くの優秀な職業人を育て輩出したことがあります。

今日、高度情報化の進展などにより世界全体が大きく変わっています。その中にあって、わが国においては少子高齢化の進行や地方の過疎化など、さまざまな課題を抱えながら世界との競争に面しています。

くしくも2年後には東京オリンピック・パラリンピックが開催されますが、将来の自己の職業について明確な意識を持って専門高校で学ぶ生徒たちが、これからの日本の産業を支え牽引し、力強く心豊かな日本にしてくれることを願って、産業教育振興中央会は今年も全力で専門高校を支えてまいります。