ユネスコスクール/ESD推進功労賞

さらなる普及啓発を目指して 受賞者の喜びの声

NPO法人日本持続発展教育推進フォーラムは、ユネスコスクール全国大会第10回大会を節目に、この10年間にユネスコスクールの拡大およびESDの普及啓発に先進的、継続的な成果を挙げ、また、多年にわたり学校教育をはじめさまざまな分野におけるESDの向上発展に貢献し、わが国の持続可能な社会を構築する人材の育成に関し特に顕著な功績が認められた者に「ユネスコスクール/ESD推進功労賞」を授与し表彰する。9者(団体等含む)に日本ユネスコ国内委員会会長賞が授与される。個人で受賞した7人の喜びのコメントを紹介する。このほか団体等として、(一財)ジャパンアートマイル、(株)三菱UFJ銀行が受賞している。


ESDカレンダーを開発

このたびは、素晴らしい賞をいただけるとのこと、ありがとうございます。私のESDへの取り組みは、13年前の2月に、東京都江東区立東雲小学校で始まりました。当時、ESDと言われても雲をつかむような話で、どのように進めたらいいのか途方に暮れておりました。

しかし、視点をもって学びをつなぐ中から「ESDカレンダー」が生まれ、また、八名川小学校に異動してからは、カレンダーに指導計画部分を対応させた「New ESDカレンダー」や発信の場「八名川ESDまつり」を広めることで、ESD推進の指針「教科等横断的なカリキュラム・マネジメント」が一層明確になり、ユネスコスクールの発展に役立てたと思います。

また、「子供の学びに火をつけろ」を合言葉に、実践力育成につながる意思や意欲を育む授業づくりを工夫してきました。これが「主体的・対話的で深い学び」につながってきました。皆さまと一緒に進めたESDが日本の教育を大きく変えてきたところに、ユネスコスクールの真価があります。

元東京都江東区立八名川小学校長、日本ESD学会副会長
手島 利夫氏

多様な立場でESDを推進

このたびは、「ユネスコスクール/ESD推進功労賞」を授与していただき厚く御礼を申し上げます。21世紀初頭から学校現場、教育委員会、大学、そして日本ユネスコ国内委員会など、さまざまな立場からESDに取り組んでまいりました。その間、気仙沼市での幼・小・中・高校のユネスコスクール加盟や、国連大学RCEおよびESD東北コンソーシアムの設立、そしてESD国内実施計画策定等に携わってきたことは思い出深いところです。

現在、日本のESDは大きく進展し、これからの教育を支える理念として広く認知されつつあります。今後も「持続可能な社会の創り手の育成」をめざし、地域に根差しながらもグローバルな視野で「持続可能な開発目標」の達成に資するESDの推進に貢献できるよう力を尽くしてまいりたいと思います。

最後に、受賞に当たり、これまで多大なるご指導とご支援をいただいた元気仙沼市教育長の阿部弘康、白幡勝美、両先生をはじめとする多くの皆さまに心より感謝申し上げます。

東京大学主幹研究員、元宮城県気仙沼市教育委員会副参事
及川 幸彦氏

国内外のネットワークを拡充

このたび、過分にも「ユネスコスクール/ESD推進功労賞」を賜り、心より感謝申し上げます。

2003年、現在の「大阪(関西)ユネスコスクールネットワーク」の前身である公・私・国立の3校ネットワーク(ASPnet Osaka)を形成してから15年になります。当時はユニセフと間違えられて孤独な時期もありました。その後、09年には加盟校の増加とともに規約をもつネットワークに発展し、関西地域の国立・府立・私立・県立・市立・NPO法人立、そして海外の小中高校生が学び合うネットワークとして成長して参りました。

この歴史を支えてくれたのは、ユネスコやESDの「学び」を信じて自らの成長につなげてくれた児童生徒の皆さんであり、その学びを大切に育ててくださった先生方の努力そのものでもあります。今、この歴史の中で育った当時の生徒の中から、ASPnet校の教師として「ネットワーク」に戻ってきてくれた先生方がいます。きっと、未来の子供たちが彼らのESDを待っていることでしょう。

本賞はそれら全ての礎とさせていただきます。どうもありがとうございました。

大阪(関西)ユネスコスクールネットワーク事務局長、大阪府立大学教授
伊井 直比呂氏

2050年の大人づくりを

今回の受賞は、大変光栄なことであります。

多摩市では、「2050年の大人づくり」というESDのスローガンの下、地域の方々や、被災地、海外の中学生との交流を積極的に取り入れることなど、子供たちの問題解決力や実践力、コミュニケーション力等を磨いてきました。

また、身近にある環境や地域を学びのステージとして、地域・企業・大学・各行政機関等と連携することで、学校だけではできない魅力的なESDの取り組みを積極的に発信してきました。

今回の受賞は、意欲的に取り組んだ教師と子供たちの活動が認められたのだと思います。

結びに、ESDの理念に基づいた教育がこれからも各学校で積極的に実践され、持続可能な社会の構築に参画する人間づくりを推進することで、日本の繁栄、平和、幸福への道を開くことにつながると確信しています。今回の受賞を機に、多摩市のESDがさらに充実・発展するよう努力するとともに、ESDが全国の学校に広がってほしいと切に願っています。

東京都多摩市教育委員会教育長
清水 哲也氏

未来志向の子供たちを

ユネスコスクール全国大会第10回の記念すべき今回、このような栄えある賞をいただきまして、誠にありがとうございます。これも日頃から日本ユネスコ国内委員会、文部科学省をはじめとする関係者の皆さまの多大なるご指導ご支援のたまものと、心から感謝申し上げます。

大牟田市は2012年1月に市内の全小・中・特別支援学校がユネスコスクールに加盟し、「未来志向の、持続可能な社会の担い手となる子供たち」を育むESDに取り組んでまいりました。また、2016年1月には、市長を本部長とする大牟田市ESD推進本部を設立し、行政、学校、地域が連携し全市的にESDの推進を進めているところです。

今回の受賞を機に、これからもさらに大牟田市が一つになり、SDGsの達成に向けたESDの充実に取り組んでまいります。わが国の、そして世界の、さらには未来に向けたESDの推進に微力ながらも寄与していきたいと考えております。

重ねて関係者の皆さま方に御礼申し上げます。ありがとうございました。

福岡県大牟田市教育委員会教育長
安田 昌則氏

大震災復興支援の大きな力に

これまで素晴らしいご縁により、「つながる」ことのできた方々とのESDの協働がありました。このたびはその成果が評価されての賞で、大変光栄に思うとともに、皆さまに心から感謝申し上げます。

私のESDへの道は教員養成大学の環境教育からはじまり、アペイド・セミナーの開催を通じてユネスコとつながり、ヨハネスブルグサミット以降、ESDで学校とつながりました。特に気仙沼市との連携は私のESDの原点です。

2007年には国際統括官のビジョンの下、東北地方を中心に仲間とともにユネスコスクールの増加、質向上に微力ながら努めました。関係大学の協力で創設した学校支援のためのASPUnivNetの創設も思い出深いものです。

ユネスコスクールをはじめユネスコとのネットワークが、東日本大震災の復興支援で大きな力になり、突然の災害には、日常のネットワークが機能することを学びました。

ユネスコ国内委員会のご尽力で、新学習指導要領の下で「持続可能な社会の創り手」の育成を目指して学校ESDを大きく展開できる環境が整いました。今後は民間ユネスコ活動やESD学会を通じて「つながる」を広げ、ESDに貢献できたらと気持ちを新たにしました。

元宮城教育大学学長、元日本ユネスコ国内委員会委員
見上 一幸氏

日本ESD学会を設立

思いがけず、「ユネスコスクール/ESD推進功労賞」をいただくことになり、光栄に思うと同時に驚いております。日本ESD学会の設立と設立後の学会活動を評価いただいたもので、設立準備の呼び掛け人と会員を代表していただく賞であると感謝申し上げます。

DESDが2014年に終了した後もユネスコスクールは継続して増え、SDGsとESDの輪は広がっています。グッドプラクティスも増え続けているに違いありませんが、実相は見えにくく、その成果が共有されているとは言いがたいのが現実ではないでしょうか。

日本ESD学会は、実践者と研究者が協働して「ESDの理論的・実践的研究およびESD実践の深化・発展を図ることをもって、持続可能な社会の構築に資すること」を目的としています。実践と地に足のついた研究とその成果を生かした実践の深化によって持続可能な社会の構築に貢献できるよう、一層の努力をいたします。

元奈良教育大学学長、日本ESD学会長
長友 恒人氏