『新時代の学び戦略 AI、スマホ・ゲーム時代の才能を育てる』 著者の石田勝紀氏×小宮山利恵子氏に聞く

『新時代の学び戦略 AI、スマホ・ゲーム時代の才能を育てる』 著者の石田勝紀氏×小宮山利恵子氏に聞く
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「テクノロジーは学びの最強の武器」

AI・テクノロジーの進展で、学びが大きく変わろうとしている。教育ノウハウに関する多数の著書を持つ石田勝紀氏と、教育新聞特任解説委員でリクルート次世代教育研究院院長の小宮山利恵子氏が、『新時代の学び戦略 AI、スマホ・ゲーム時代の才能を育てる』(産経新聞出版)を出版した。テクノロジー活用教育の海外との比較や、学習意欲を高めるゲーミフィケーション、プログラミング教育、テクノロジーによって変わる未来の教育などについて記している。デジタルネーティブの現代の子供たちにとって「テクノロジーは学びの最強の武器になる」と提言する著者2人に、本書の狙いなどを聞いた。

――本書の役割は。

石田 一言で言えば、「新しい価値観の理解」だと思います。これまで人類が経験したことのない、全く新しい時代へと突入します。それに伴い、学び方も劇的な変化をしつつある現状について、一定の認識を得られるのではないでしょうか。小宮山 AI・テクノロジーの進展で、社会や教育がどのように変化しているか、そして今後どのような形になるのかについて、網羅的に理解できる内容となっています。私自身、海外に滞在する機会が多く、海外の最新情報や、海外から見た日本の状況についても知ることができます。

――具体的な内容は。

石田 私が特に強調して書いた内容は、家庭での「ゲームやスマホにハマる子に悩んでいる」状態の今後の対応方法と、考え方についてです。小学生がいる家庭からはゲーム、中学・高校生はスマートフォンによる「弊害」に関する悩みをたくさんいただきます。それを受け、多くの家庭で失敗している「ゲームやスマホの使用に関するルール作り」について書いています。その方法によって、メリハリがつかないという目先の問題は解決するでしょう。一方で、先に進んだ「テクノロジーと教育の融和性」という視点にも触れています。「果たして本当に弊害なのか?」「これから来るべき新しい学びの形態への準備ではないのか?」といった本質的な問題意識の提示によって、マクロ的に捉えた場合の考え方も知っていただきたいです。小宮山 AI・テクノロジーが発展することで、学びに利用できるものも増えてきています。リクルートは2011年にオンライン教育サービスである「スタディサプリ」(当時「受験サプリ」)を開始しましたが、それまで個々の生徒が習熟度別にオンデマンドで学ぶ機会はほとんどありませんでした。その他にも今は「MOOCs」と呼ばれるオンライン講座や、VR/ARを用いたものなど多種多様で、子供に合った学習方法を選択できます。AI・テクノロジーの進展に伴い社会は目まぐるしく変わることから、子供だけではなく大人自身も常に学ぶ必要が出てきています。本書は社会人の学びにとっても示唆があるものと思います。

――どういう人に読んでほしいか。

石田 「子供がゲームやスマホにハマってばかりで不安だ」と感じる保護者の方に読んでいただきたいです。さらに、教育に携わる方々にとっても、新しい時代の学び方についてより理解が深まるのではないかと考えています。小宮山 AI・テクノロジーという言葉を聞いて、脅威に感じている人、これからの学びがどのようなものになるか不安になっている人、そのような方に読んでいただき、AI・テクノロジーは共存するものであり、上手く利用すれば、学びにより良い効果が生まれる可能性があることを知っていただけたら幸いです。

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