(円卓)現場からの授業革新

東京都板橋区立赤塚第二中学校教諭 中野 英水

新学習指導要領も、中学校では全面実施まであと2年となった。3月末には、学習評価についての通知も文部科学省から出され、いよいよ現場でも新学習指導要領を意識した取り組みを始めなければならない時期である。

中学校学習指導要領においては、表向きはそれほど大きな改訂ではなかったと感じる人もあるだろうが、よく読み込んでみると随所に異なるところが見える。

大きな違いは、改訂の経緯だ。2008年版改訂の背景として挙げられていた「知識基盤社会の到来」という言葉が17年版では消え、予測が困難な時代、AIの飛躍的な進化を挙げている。これはまさに、Society4.0からSociety5.0への変化を踏まえた改訂であることを示している。

予測が困難な時代を生き抜いていかなければならない生徒たちに必要な、いわゆる三つの柱と称される資質・能力を、新学習指導要領では主体的・対話的で深い学びによって身に付けさせるよう求めている。

これを意識すべきは、まず現場の教師ではないか。2030年に向けて、持続可能な社会の担い手である若手社会人として生き抜いていく人材を育成しているのは、今現場で教壇に立っている教師だ。今こそ教師が志を持って授業革新していくときではないだろうか。

授業革新こそが生徒の潜在的な学ぶ意欲を引き出し、学校を円滑化させる大きな手立てであることを日々の実践の中で感じる。

勤務校では、協働的な学びの場や発問中心の授業構成で生徒の主体性を高め、教わる授業から生徒自ら考え発見する授業への転換を、福井大学教職大学院の多大なる支援を得ながら、10年度以降進めてきた。

「協働」「探究」を合言葉に、ひたすら授業革新してきた成果は、教師ではなく生徒が出してくれた。

日々笑顔で「学校が楽しい」「学びが楽しい」という生徒の声こそが成果である。今となればOECDのLearning Framework2030や主体的・対話的で深い学びによって実現する三つの柱の考え方とよく似ている気がする。違うのは、目の前の生徒と正対し、その生徒の幸せを切に願いながら具体的な授業革新ができる点である。

現場からの授業革新を今こそ進めようではないか。