(円卓)AIと外国人材への対応

宮城教育大学教員キャリア研究機構長・教授 市瀬 智紀

私たちは、パソコンやスマートフォンにをはじめ、大量の記憶を補完し、判断を求めるものとしてAIやロボットに頼る時代になっている。少子高齢化が進む日本社会において、今後は労働力において外国人材を受け入れて協力を求めることが、昨年12月の入管法改正案成立によりはっきりと示された。

では、教育の世界はどうか。教育の世界でもAIと外国人材への対応が迫られているのである。「Society5.0に向けた人材育成」や「第3期教育振興基本計画」は、日本がAIと外国人材に依存する社会に変貌しつつあり、教育の世界も確実にそれらへの対応が求められているという視点で読むことができる。

AIについて言えば、今日研究開発の人材が圧倒的に不足しており、確率・統計や基礎的なプログラミングをはじめ、STEAMやデザイン思考などを教育現場で提供できることが求められている。

筆者は国際教育の専門なので、ここでは、外国人児童生徒への対応について言及する。外国人児童生徒は、日本語の習得をはじめとして、学校教育において日本社会で生きていくためのキャリアを形成できるかどうかがポイントとなる。

学校におけるクルド人排斥などの報道を目にすると、大変心が痛む。排除の論理は必ず将来のしっぺ返しを招く。国家の中で民族の分断を生まないようにする鍵は学校にあり、それら多様な背景の子供に対する教員や児童生徒の日々の接し方にあるといえる。

外国人児童生徒の教育は、1990年代から30年に及ぶ実践と研究の積み上げがあり、初期指導から適応指導、教科指導(例えばJSLカリキュラム)、日本語能力の測定法(例えばDLA)が開発された。そして昨今は、外国人児童生徒を支援するための教員研修のモデルプログラムもできてきた。

(公社)日本語教育学会の受託による、2018年度文部科学省委託「外国人児童生徒等教育を担う教員の養成・研修モデルプログラム開発事業」がそれである。ぜひサイトを参照の上、外国人児童生徒に対応するための教員研修に役立ててほしい。

AIや外国人材と知識や技能を共有する時代は目の前にある。時代の変化を踏まえて教員も意識を変えていかなければならない。

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