5つの問題行動別「手に負えない思春期の子」への関わり方

土井髙德 著
小学館/1300円+税

著者は里親ホームを約40年間にわたって運営。心に傷を負った子供たちと共同生活を送りながら自立支援に取り組む。ホームでの経験を踏まえ、子供の不登校など、五つの問題行動の理解や対応へのアドバイスを記す。

学校内暴力の章では、キレる子供の背景や関わり方などを説明。要因には発達障害が影響する場合が多く、成長の途上で親や周囲から障害の特性が理解されず、適切な養育が受けられなかった点も指摘する。「暴力でしか自分を表現できない子供はどんな不安や不満を抱えているのか。子供の特性を根気強く丁寧に観察し、寄り添いのヒントを見つけて」と訴える。

教職員や保護者が子供の観察記録を持ち寄って共有したり、子供の特性に応じた教育環境を整備したりする重要性も挙げる。ざわつきが目立つ教室や大声の叱責(しっせき)は発達障害のある子供の育ちを阻害すると注意を促す。簡潔な指示やシンプルな教室掲示などユニバーサルデザインの意義や効果も説く。実際の指導や整備に役立てたい。

再三の注意や指導も功を奏さず、子供が教師に暴力を振るい少年院に送致されてしまったエピソードも。それでも「子供の支援はマラソン。一つの家庭や施設だけで解決できない課題は山ほどある」と、関係機関の長期的な連携と支援が更生につながる例も示す。著者が重ねてきた実践の一つ一つが、思春期の子供の心にどう寄り添うべきかを教えてくれる。