(円卓) 子供が自信を持てる評価に

(一財)総合初等教育研究所室長 梶井 貢

小学校の新学習指導要領の全面実施が一年後に迫っている。「学習評価及び指導要録の改善について」の通知も出された。各学校では、カリキュラムづくり、新しい授業づくり、評価の具体化などが喫緊の課題となってきている。

本稿では、評価について考察する。そもそも評価は、子供の成長・発展を促すものである。一人一人の良さや可能性を引き出すことにその目的がある。

資質・能力の三つの柱を受けて、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に取り組む態度」の3観点について、適切な評価規準を設定して観点別評価をしたとしよう。

被評価者である子供たちが、「僕はここが駄目なんだ」「私はここが劣っている」と受け止めてしまっては、負い目を感じてしまうことにもなる。

自分の成長・変容を自覚できるような評価に工夫、改善することが何よりも重要である。

日本の子供たちは諸外国に比べて、自尊感情や自己肯定感が極めて低いことが問題視されている。それには、保護者の過度な期待や教師の指導観などが影響する。特に教師は、どの教科も領域も頑張ってほしい、できるようになってほしいとの願いが強い。

その結果、得手不得手のある子供などへの評価が厳しくなりやすい。

確かに、一人一人の良さ・持ち味・取りえを発見・尊重し、それを子供に伝え、自覚させるのは大変難しい。さらに、評価が子供の学習改善につながるものでなければならないことは言うまでもない。

子供たちが自分の学びの成果を自覚し、達成感・成就感が持てたときに、はじめて自信や自己肯定感につながっていく。そのために、教師は、日々の授業づくりにおいて、きめ細かな評価を積み重ねることが肝要になる。

ポイントは二つある。一つは、個人内評価の視点を重視することである。単元のまとまりの中で、どの子がどのように変容・成長したかを記録し、その成果を子供にフィードバックすることが大切になる。

二つ目は、「主体的に取り組む態度」の評価を工夫することである。それには、自ら学習の振り返りと調整を行い、自己評価によってメタ認知できるような授業設計が望まれる。

授業改善と評価は、一体的に推進していく必要がある。