(鉄筆)令和になり、皇室や……

令和になり、皇室やそれにかかわる事物などについてマスコミが取り上げる機会が増えたように感じる。

その一つが皇居、つまりかつて徳川将軍が居住し、幕府の政治の中心であった江戸城である。文献だけでも数多く出されており、小さな「江戸城ブーム」である。最近では、家康が築いた初期の江戸城の絵図が松江市で発見されそれを基に奈良大学の千田嘉博教授と歴史研究家の森岡知範氏が執筆した『江戸始図でわかった「江戸城」の真実』(宝島社)が話題となった。さらに、かつて明暦の大火で焼失した天守閣を再建しようという動きも民間レベルであるそうだ。

現在、皇居のうち東側の東御苑は一般開放されており、誰でも見学ができるが、訪れてみると外国人観光客が多いのに驚く。それだけに、日本の子供たちにも一度は訪れてもらいたいものだ。

東御苑は生きた教材の宝庫である。皇居を囲む堀と石垣にみる伝統的な建築技術や天下普請といわれた当時の大名統制の仕組み、大手門から本丸跡にたどり着くまでの桝形(ますがた)や櫓(やぐら)、皇居内の曲がりくねった道など防御施設としての工夫、皇居内の数々の植物や鳥、昆虫の生態、江戸城の遺構を生かした現在の東京の都市構造、天守閣再建を中止させた当時の会津藩主保科正之の話、さらには皇居の清掃を担う勤労奉仕団の活動など。

前述の森岡氏は、念には念を入れる完璧主義の家康が長い平和をもたらすために築いた日本一の城が江戸城だと言っている。皇居を平和の象徴として教えるのも教育である。