(円卓)SDGsはESDの充実で

全国小中学校環境教育研究会顧問 國分 重隆

SDGs(持続可能な開発目標)について、国民的認知度はまだまだ低いと言われている。しかし、ESD(持続可能な開発のための教育)よりずっと早いスピードで、この言葉が教育現場に浸透してきているのを肌で感じる。

SDGsは、MDGs(ミレニアム開発目標)の成果と課題を受け、2015年の国連サミットで、30年までに世界中の人々が取り組むべき目標として採択された。

法や決まりではなく、あくまでも行動目標である。17のゴールと169のターゲット、加えて進捗(しんちょく)を測る230の指標まで考えられている。
MDGsでは、特に発展途上国の貧困問題の解決が大きな目的だった。SDGsではそのための取り組みも続けながら、世界そして地球がこの先もよりよい姿で続いていくよう、先進国自身が自国の課題の解決にも取り組んでいく、というユニバーサルなものでもある。

何より注目すべきは、現在およびこれからの世界や地球の抱える課題を解決するために、世界中の人々が何らかの行動を始めることを狙いにしているところにある。

17のゴールや169のターゲットは、世界の人々が、世界や地球の抱える課題や危機的状況を知り、あるべき姿を多面的・多角的に考えるための窓であり、指針である。ゴールやターゲットは多岐にわたり、互いに関連するものも多い。解決や変革のためには、その関連性を意識するのも大切になる。

より大切なことが2点ある。一つは、自国や世界の現状を見つめ危機感を持ち、課題の改善の必要性を強く意識することである。もう一つは、そのために自分にできることをSDGsのゴールやターゲットから見いだし、変革の第一歩を踏み出すことである。

ここで大事なのは、エシカル(倫理的)な環境保全や社会貢献につながる活動である。学校教育の役割は、子供たちが踏み出すエシカルな行動の第一歩がたとえ自己の生活改善レベルだったとしても、そのまま社会貢献につながるものであったとしても、そこに「切実感」を持たせ、「その行動の価値」を実感させるところにある。

「地球に思いをはせ、足元を見直し、価値ある第一歩を歩み出させる教育」、すなわちESDが真価を問われるときがいよいよ来たのである。